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褒めることは良いことなのか悪いことなのか②「勇気づけ」と「褒める」を区別するアドラー学び直し編

「勇気づけ」という軸で理解するとアドラー解釈が一変する

 ではみちゃんの妹のみちゃんが、アドラー心理学を正しく解説します。

  まず前提として知っている人はもちろん知っている話なのですが、あの例のブルーの本……。あれがアドラーが書いた本だと思っている人が多いようです。

 あの本はあくまでも、心理学を専門としないいち日本人が書いたアドラーの解説本で、アドラーの本ではありません。アドラーを以前から勉強している方の中には、あの本はかなり独特なアドラー解釈だと指摘する人もいます。

 ですのでここでは、公平に別のアドラー研究書も参考に、アドラーの本当に言ったことを見てみましょう。

 こちらの本の特徴は、アドラーの勇気というのを「嫌われる勇気」を軸には整理していません。

 こちらのアドラー本では、勇気についてこのように整理してます。

勇気とは(嫌われる勇気ではなく)リスクを引き受ける能力である
勇気とは(嫌われる勇気ではなく)困難を克服する努力である
勇気とは(嫌われる勇気ではなく)協力できる能力の一部である

 いかがでしょうか。こちらのアドラー理解ですとかなり普通の日本人の実感に近いものではないでしょうか。

 そして、著者の岩井俊憲氏の考え方をみかちゃん流に要約するとこうなります。

 アドラーが批判した褒めるとは、自分の利益になるように相手を誘導したり洗脳したり、上から目線で報酬を人参としてぶら下げて、本来は助け合うはずの仲間同士の競争心をあえて煽りまくり(つまりある人をべた褒めしてある人はガン無視するとか)、他者と環境を自分の道具としてコントロールすることである。

みかちゃん要約定義

 これも、普通の日本人の感覚にすごくよく合致します。こいつはこんなテクニック持っているとしたら、絶対にこの本読んでますよね!!

でたあ!(゚0゚)

 そして、岩井俊憲氏はアドラーの「勇気づけ」をこのように整理しています。これもみかちゃん要約になります。詳しくは書籍をご覧ください。

 相手(部下や自分の子供)が成功しても失敗してもまず努力したことを最大限認めてあげる。アドラー解釈の褒めるが褒める側の満足しか考えないのに対して、「勇気づけ」は相手の成長を願い責任感を自覚させリスクを引き受ける勇気を持てと促し、仲間との協力(今しゃべっている上司、親である自分を含めて)で困難を乗り越えることの大切さを説くものである。

みかちゃん要約定義

 めちゃいいこと言っている(゚0゚)。

 これはある意味理想の家庭であり、理想の職場じゃないでしょうか。

 アドラーが文章がど下手くそであることは、多くの専門家がそれとなくですが指摘しているところです。岡野守也さんなんて、それとなくではなくアドラー擁護の目的なんですが文章下手で損していると思いっきり言ってますね(笑)。

 つまり、あの青い本『嫌われる勇気』を経由してアドラーを理解したと思っていると、かなり不幸な誤解が生まれる傾向にあります。

 アドラーは一般日本人が「褒める」という言葉で言っていることをそっくりそのまま「勇気づけ」と考えており、これを全面的に人間の可能性として称賛しているのです。

まとめ 一般的日本語「褒める」≒アドラー用語「勇気づけ」で問題なし!

 つまり、これとまったく同じパターンですよ。幸か不幸か『嫌われる勇気』でアドラー入門した人は、一回それリセットして、ぜひこのフレーム使って読んでみてくださいね。

悪魔のアウトプット大全がアドラー言葉の「褒める」
ホワイトアウトプット大全がアドラー言葉の「勇気づけ」

 つまり、アドラーは悪いアウトプットとしての「ニセ褒める」をしてはいけない、と言っただけでホワイトアウトプットの「勇気づけ」はどんどんやりましょう!
〜٩(ˊᗜˋ*)و
 ……と言っていたのでした。

 これまでモヤモヤしてきた方はスッキリしたでしょうか。

 ということで、次回安心して第3回で樺沢紫苑氏の褒めることの大切さを見ていきますね。


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