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たいまる左腕骨折からの手術①

日曜日の夕方、私は庭の芝生作りのため土をせっせと耕していた。スコップで土を掘り続けた結果、腱鞘炎になりかけている右手。一休みしようとしたときにiPhoneが何度か鳴った。公園に下の子二人を連れて行った父ピロキからの電話である。

『たいまるがうんていから落ちて、ずっと泣いている。様子がおかしいからきてほしい。』

嫌な予感しかしない。意識ははっきりしているし、頭は打っていないようだ。腕を強打してぐったりしているらしい。骨折かな…という心つもりができた。家にいた姉のアッチを連れて公園へ急ぐ。

公園に着くと、次女のミカンは我関せず黙々と砂場遊び継続中。たいまるは父ピロキに抱えられ息も絶え絶えという状態だ。『骨折だな』と確信した。頭を打ってないなら、とりあえず救急でレントゲン。そしてギプスで固定して…。負傷しているのは利き手ではない左腕だ。なんとか生活もしていけるだろう。そんなところまでの予想はできた。

苦しそうなたいまるを連れて、ピロキが先に自転車で帰宅した。息子が落下する瞬間を見てしまったこともあり、罪悪感、助けられなかった後悔の念などがあるのだろう。いつもよりスピーディーに動いてくれている。私が公園でまだ遊びたいミカンを説得して帰宅する頃には連れて行く病院との交渉が終わるところだった。アッチの膝が割れた時に縫合処置をしてもらった近所の整形外科に決まったようだ。家に帰ってもたいまるはずっと痛くて泣いていたし、ずっとうずくまったままだ。ちょっとおかしいなと思いはじめた。

3歳児のミカンを連れていくと大変なので、病院へは父とたいまるの二人で行くことになった。車でも横たわってぐったりとした状態のたいまる。とても痛いのだろう。少し泣けてくる。さぁ、出発というところで本当にその病院で良いのかという不安が出てきた。

通常、高いところから落下した場合は頭の強打についても確認をとるため、MRIを撮ることが多いらしい。その病院では休日はMRIでの確認はできないがそれでも良いなら診察可能だというのだ。一応父が落下の瞬間を見ていたし、頭は打っていない。受け答えはしっかりしているし、どうみても腕の痛みが酷く苦しい状況だ。MRIは不要。レントゲンの確認をまず優先するということで夫婦の意見が一致した。こういう時、気が動転しているのでお互い歩み寄って不安を話し合っていくことは大切だと思う。お互い焦りもあって口調は厳しいが、たいまるを心配してのことだ。何か間違いがあっては困るのでなるべくちゃんと話したいと思う。意見が一致してお互い納得したところで、父とたいまるは病院へ出発していった。

レントゲンの結果はやはり骨折であった。日曜日なので応急処置とカロナールを処方された。今後の治療方針は月曜日の外来で決めることとなった。そこでふと疑問が生まれてきた。私は病院にはいかなかったのでよくわからないが、骨折って折れた骨を固定して安静にする以外の治療方があるのだろうか。なぜ治療方針を明日確認するのだろうか。父ピロキに確認してもよくわからないらしい。よく考えたらこう言った病院関係のことをピロキが積極的にしてみたことはなかった。だいたい子供の緊急時に対応できるのは私で、彼はいつも仕事で不在だったのだ。初めての救急対応と思えば上出来の仕事ぶりであった。とにかく明日は私も午前休をとって病院に行くしかない。自分の目でレントゲンの結果を見で判断をしたい。

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