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小説 溶解(仮)

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2020年5月の記事一覧

溶ける01 記憶の宮殿1

どれだけの時間が経ったのか。

いつの日からか、牢を囲む壁の、遥か遠くの高窓から、光が入らなくなった。星の小さな光さえ届かない。

それは看守の私刑だったのか? 私から光さえも奪うことが?

私の犯した罪は、それほど軽蔑されるものなのか。

ああ、笑いが止まらない。

私は、人を喰った。罠に陥れで戯れに殺した。何人も。何十人も。

愉快なゲームだった。ターゲットの情報を集め、行動を予測した。そこへ

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