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マイクメソッド製作者にインタビュー

「マイクメソッド」という怪しすぎる社会人向け予備試験講座の実態を探るべく、製作者本人に直撃してみた…

――マイクさんの無料講義をYOUTUBEで拝見しましたが、今後もこのような無料講義は定期的に出していくのでしょか?
予備試験の過去問解説に関しては、7科目全てアップしたいと考えています。現時点では刑法の一部しかアップできていませんが、来年までには出揃うはずです。
――刑法の講義が一部しかアップできていないのは何か事情があるのでしょうか?
マイク:もともとは令和5年まで全部収録したはずなんです。でも、あとで見返したら令和2年度から令和5年度まで音声が入っていなくて…ショックだったので、それ以来放置しています。しばらくたったら再チャレンジしようと思ってます。
――そういうことだったんですね。ところで、そもそもなぜ予備試験講座を始めようと思ったんですか?
きっかけは去年noteで予備試験勉強法の記事を書いたことに遡ります。興味本位で勉強法の記事を書いたところ、予想以上の反響があって、それ以来情報発信をするようになりました。でも、情報発信をしていく中で、自分の中にずっと葛藤があったんですね。
――どのような葛藤でしょうか?
僕が推している勉強法は、簡単に言うと「初めから最後まで繰り返し過去問を解け、それ以外のことはやるな」というものです。そして、この勉強法自体の有効性は僕が実証していますし、今でも予備試験短期合格のためにはこの勉強法が不可欠だと考えています。ところが、現実にはほとんどの人がこの勉強法を正しく実践できないのです。なぜなら、世の中に出回ってる講座の大半は時間をかけてインプットをしてから短文の問題を解かせ、最後に過去問に入る、という昔ながらのスタイルのものだからです。予備校の講座の大半は旧試時代のやり方を踏襲したものなので、このような非効率的な方式が残っているのだと思います。
――それなら、独学で過去問を解くというのはどうでしょか?
独学で過去問を解くのにも限界があります。並外れた精神力と分析力を持ち合わせている人であれば市販の過去問集だけで予備試験に合格できますが、ほとんどの人はそれを実行できません。特に、市販の過去問集というのは知識がある人に向けて作られているものなので、知識がない状態だと知らない用語ばかりで右往左往してしまい、結局挫折するパターンが非常に多いです。僕の勉強法を参考に過去問学習を始めた方もたくさんいるのですが、やはり大半の人は独学を諦めていました。僕自身も学習を始めたばかりのころは市販の問題集を使って頑張ってた時期がありましたが、結局すぐに挫折してしまいました。
――過去問演習はそんなに大変なんですね…
初めのうちは特に大変ですね。基本論点すら全く知らない状態なので。当然、通常の過去問の解説では基本論点を1から教えてくれるなんてことはありません。僕が今でも覚えているのは、刑事訴訟法の過去問を始めて解いたとき、「物」が「場所」に含まれるか、という論点があって、何の話なのかさっぱり分かりませんでした。今見るとすごく基本的な論点なのですが、知識が全くないとかなり困ってしまいます。インプット講義をスキップする分、分からない部分は自分で基本書開いて調べないといけない、ということです。人によっては基本書を調べるということが苦手で、インプットを聞くより余計に時間がかかってしまう、ということもありえます。

――それは本末転倒ですね(笑)
そうなんです。そういうリスクがあるので、僕は自分の勉強法を万人におすすめすることができなかったんです。つまり、勉強法と教材という両輪のうち、勉強法は完成していたものの、教材という車輪が欠けていたんです。これだとスムーズに学習することができません。そこで、僕の勉強法に合った教材を自分で作ることにしたわけです。

――はじめは刑法から作っていましたよね?刑法を選んだのは何か理由があるのですか?
7科目の中で最初の1科目に最も適切だと思ったからです。難易度的に取り掛かりやすいですし、全科目に共通する考え方(条文の解釈・適用能力)が身につくと思ったからです。
――その後は民訴、民法という順番にリリースしていますが、何か意図があるのでしょうか?
ただ単に受講生のリクエストで決めていました。刑法の受講生からは「民訴を作ってほしい」というリクエストが一番多かったので、民訴を作りました。その次は民法のリクエストが多かった、というだけです。民法の後は、リクエストの多い刑訴か憲法を作成していこうと思っています。
――受講生の意見を大事にしているんですね!
いえ、別にそういうわけじゃないです。需要がない科目を作っても売れないので意味ないじゃないですか。
――なるほど…ところで、社会人向けの予備試験講座と書かれていますが、なぜ社会人向けなのでしょうか?
いくつか理由があります。まずは、僕の講座の購入者の大半が結果的に社会人だったので、ここに絞ろうと考えたのが一つ。あとは、僕の勉強法が最も効力を発揮するのは他学部生や社会人などの時間がない人だからです。時間がたっぷりある大学生は従来型の予備校を使えば普通に合格できると思いますが、時間がない人が同じことをやってもうまくいかない。インプットを省略して過去問演習に取り組むというリスクを取りに行く必要があります。その中で、リスクを軽減しさらに時間を短縮するというのが僕の役目だと思ってます。
――ちなみに、なぜ社会人が結果的に多く集まったのでしょうか?
よく分からないですね。はじめは社会人を特に意識していなかったので。たぶん、さっき僕が言った話にプラスして、自分で稼いでるかどうかというのが違いだと思います。大学生は基本的に親が教材費を出しているので、そうなると親が安心できる大手予備校を選ばざるを得ない。社会人の場合は完全に自分で判断できるので、僕の講座を選んでくれる方が多いのだと思います。
――現在はどれくらいの社会人がマイクさんの講座を利用されているのでしょうか?
7月15日の現時点で受講生が40名弱で、全体の社会人率が7割くらいなので、社会人の数としては30人行かないくらいだと思います。まだまだマイナーなので、まずは講座をしっかり完成させようと思っています。
――今までポジティブな話ばかりしてきましたけど、ぶっちゃけなところ講座に関してネガティブな要素はありますか?
もちろんいくらでもあります。完成していないというのが一番大きなマイナス要素ですね。未完成の講座を買いたがる人はレアだと思うので。来年頭までにはなんとかして完成させようと思っています。あとは、問題数が少ないという点。これは僕が一人で作っているので、どうしてもたくさんの問題を収録するというのが現時点では難しくなってきます。その分1つの問題を分かりやすく周辺知識もさらいながら解説していくということを意識しています。あとは誤植やミスプリがあるという点。質よりスピードを意識して講座を作っていますので、どうしてもヒューマンエラーが出てきてしまいます。指摘をいただいてから都度直すということで何とかごまかしています(笑)
――値段に関しては、20万円となっていますが何か考えがあるのでしょうか?
社会人が1か月に稼ぐ給料で買えるような講座にしたいという思いがあります。大手の予備試験講座だと100万円近くしてしまうので、ここのハードルを何とか下げたいという気持ちがあります。大手予備校か独学かの2択しかない状況だと経済的な理由で独学を選んだ方が圧倒的に不利になってしまいます。第3の選択肢として、このような価格を設定しています。もともとは30万円を予定していましたが、講座が完成していない段階で完成後と同じお金を払わせるのは申し訳ないので、現在は20万円としています。
――それでは、最後に社会人の受験生に向けて一言あればお願いします。





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