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NZ 旅の記録 VO.2

1/3 晴れときどき曇り

 時差ぼけで微妙に寝つきが悪く寝不足。飛行機の中で寝ない方がいいのかな?でもきついよね〜まあいい、楽しもう。

 Rくんをホリデーパークからピックアップし、Aさんの住む街マクレイズへ移動開始。パーマストンという途中の街でトイレへ行き、ビールを買う。SHAG POINTでアザラシの群れを見る。絶景。Aさんの高速ドライブ。車窓から見えるのは、丘。羊、羊、羊、時々牛。稀に鹿。道路で轢かれている動物はポッサム。バイパスとか、トンネル作るっていう発想はないみたい。丘に沿って地形どおりに道は続く。それがとても爽快。人工物がとにかく少ない。Aさんの住む街は金の採れる街。採掘場へ行く。ステイ先のホテル&パブを見せてもらう。歴史のあるかわいらしいホテル。ここでベビーシッターをしている。子どもが通う小さな小学校をのぞく。まったく整理整頓されていなくて、とってもおおらかな雰囲気。突然馬にのった女性登場。なんてのんびりした街なの。

 WETLAND(湿地帯)を散歩する。ほとんど毎日ここでお散歩してるんだって。サンドイッチ持って。いいねえ。マクレイズは例えるなら夕張。

 マクレイズでは薄く切った石を積み重ねたような石垣をよく見た。帰りに走った道は、行きよりも野性的な牧場が多く、鋭く尖った大きな石(岩?)の上でたたずむ羊がなんともかっこいい。ROCK&SHEEPというブランドが誕生する。車内トークは妄想が広がる、楽しい。

 ダニーデンに戻り、ショッピングモール的なところの1Fで換金。利率よし!カトマンズで買い物。父と自分、Yさんに。Rくんの思い出の家族の家に行ってみる。家は見つけられた。人は住んでいなかった。引っ越したのかな。会えなかったのは残念だけど、きっとどこかで元気にしていると思う。

 カウントダウンで買い物をして、エアビで夕食。クマラというNZのさつまいもみたいなのと、ソーセージ、ビーフ、トマト・青菜・スモークサーモンのサラダ。アップルサイダー(お酒)、ビール、白ワインも。びっくりするほどどれもおいしい。料理ってやっぱり素材かも。お肉、ソーセージは日本のとは違う、力強い感じがした。自炊ディナー楽しい。夜中までしゃべる。ウクレレ聞いて歌って、幸せな夜。夕張の学校の音楽会の幸せ感に似ている。寄宿舎でみんなでやったやつ。室内の光もとても暖かい。NZ好きだな。大らかさが。1:00に就寝。

1/4 晴れ

 テカポへ出発!相変わらずかっこいいAさんの運転で。パーマストンでトイレ休憩。そこから30分、モエラキボウルダーズに寄り道。ふしぎなまんまるい岩。海きれいだな〜おもしろ写真をいくつか撮る。石を3つほど失敬して持ち出す。売店でクッションカバーとなべ敷きを買う。おしゃれでかわいい柄だった。その後、クレイクリフにも寄り道。マオリの壁画があった。でっかい岩。  

 昼食は残りの米でAさんが作ってくれたおにぎり、ツナ缶とのり。野生のベリー。ツナ缶はマヨが混ざっていた。のりはなんか変な味。途中の街のベンチで食べる。

 見所が多すぎてなかなかテカポにつかない…時差ぼけで急激な眠気に襲われる。気遣ってくれるAさん優しい。ありがとう。遠慮せず助手席で寝落ち。

 今日の移動のクライマックスが突然やってくる。プカキ湖からのMt.クック!!カーブを曲がって現れた湖の色、湖面に浮かぶようにそびえたつ山。なんじゃこりゃあ!グリーンミントガムか!!?

 日本一の深さを誇る田沢湖の近くに生まれ育ち、湖は昔から身近な存在だった。幼少期から地元の川で、水の清らかさを味わい続けてきた(つまり泳いでいた)。山なんて学校指定の単なるスニーカーで登るものだった。自然の美しさであればいくらでも語れるサバーブ生まれサバーブ育ちな私でも、のけぞるくらいの美しさだった。

 湖の美しさがNZの大きな魅力の1つだ。湖があるだけで心が休まる。そういった自然に対し、畏怖の念を抱きながらも親しみを持つのは日本人の性質なんだろうか。

   Hさんが撮ったMtクックの写真が、ガムのポスターにでもできそうな素晴らしい出来栄え。

 テカポのB&B、MARIE THERESEに到着。上の階にホスト夫妻が住んでいる。大人しいワンちゃんも。お花がおおらかにたくさん咲いている。とてもいい雰囲気の宿。さっそく4スクエアで買い出し。ホストパパがBBQグリルを貸してくれるらしい。定番のNZビーフ、やたらと美味しい生のウィンナー、しいたけみたいなマッシュルーム、トマト、リーフレタス、ポテトサラダなどを買う。スーパーマーケットめちゃくちゃ楽しい。

 羊飼いの教会は人がたくさん。観光地化した地元の教会。中は狭くて、石造りで趣があった。ここの湖も美しくてびびる。

 Aさん、Hさんと一緒に高い橋を通って、お土産物やさんへ。急に日本語が聞こえてきたと思ったら、日本人の店員さんがいた。マヌカハニーを試食させてもらい、試食で終わった。マヌカってティーツリーのことなのね、それなら知ってる。スッとした後味がティーツリーの香りに似ている。

 NZの夕暮れは遅い。もう7時とかだけどぜんぜん夏の5時くらいの雰囲気。明るいけれど光がやわらかくなってきたら夕方の合図。Rくんは瓶ビールとネルシャツと芝生と昼寝が似合う。庭でBBQをする。にくのくに、という回文が生まれる。焼肉屋の婿Hさんが肉をじゃんじゃん焼いてくれる。楽でたのしい。遠くに湖が見えて、空が広くて、花もきれいで、犬もおりこうさんで、お肉もきのこも芋もトマトもビールもアップルサイダーもなにもかもがおいしくて、泣きそうに嬉しい。

 少し休んで、真っ暗に暗くなった頃、外で星を見る。南十字星を見るのは夢だった。日本では波照間島で唯一見えることを吉本ばななの本で知った。生きているうちに見れたらいいなと思っていたけど、この人生で見られるとは思っていなかった。寝ていたAさんを起こして、みんなで真っ暗の夜道に寝っ転がると、この目で見えるものが星空だけになる。見える。宮沢賢治の描いた銀河鉄道の夜の世界だ。石炭袋が見える。幸せだ。幸せすぎる。本当にNZに来てよかった。帰ったら銀河鉄道の夜を読み返すことに決めた。


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