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1年遅れで追いかける背番号14

#OneFourKengo

このハッシュタグを使って中村憲剛選手への想いを綴っている皆さんの中で、多分私は最もサッカーを知らないと思う。
恥ずかしながら中村選手が川崎フロンターレの選手であることを知ったのも約2ヶ月前のこと。

こんな私に、中村選手を川崎フロンターレをサッカーをもっと知りたいと思うきっかけを与えてくれたのは前十字靭帯断裂という怪我。

中村選手が前十字靭帯損傷の怪我を負った、約1年後の今年10月末に私は前十字靭帯断裂をした。
来年に控えたA代表の世界大会や全日本選手権への出場が絶望的になり、深く落ち込んでいた私に友人が「前十字の怪我から劇的な復活をした選手がいるよ。」と中村選手について教えてくれた。



復帰までの長い期間に漠然とした不安をかかえたまま、ぼんやりと中村選手についてのネット記事を読んだり、YouTubeを観ていた。
私はあっという間に中村選手の人間味に引き込まれた。選手として素晴らしいことを成し遂げていながら、いい意味でそれを感じさせない柔らかさ。「サッカー選手はサッカーだけをしていれば良いのではない。」と語るファンや地域の人への想いの強さ。赤い炎というよりは青い炎を宿しているような選手としての理性的な情熱を感じさせる姿。挙げればきりがない。

手術前のリハビリ期間や、手術での入院中、入院後のリハビリ中もDAZNやYouTubeで中村選手の復帰特集を網羅的に観た。


術後日の浅いうちの辛さは共感できるものだらけだったし、お風呂に入れるようになった日の嬉しさも、この足が本当にまたプレーできるまでになるのかと不安になる気持ちも同じだった。
ひとつだけ違ったのは、自分が戦線を離脱したチームのプレーを外から観ている時の気持ち。今の私はチームメイトのナイスプレーを素直に喜ぶことはできない。悔しい気持ちが先走ってなかなか冷静ではいられないし、復帰したら相手のどんな弱手ををついてやろうかとかそんなことばかりを探してしまう。選手としての浅さが恥ずかしい。

年齢のことを引き合いに出すのは大変恐縮だが、39歳の中村選手があそこまで復帰できたなら、24歳の私にやれないはずがない。
不安や怖さもあるけれど、それ以上に自分に期待する気持ちが強い。1日ずつ丁寧に積み重ねて、私も必ず復帰する。そう思えるきっかけをくれたのは中村選手だ。

もう少し膝が良くなったら、来シーズンは絶対に川崎フロンターレの試合を観に行きたい。中村選手がサッカー人生を捧げた最高のチームを観てみたいし応援したい。

こんな怪我したくはなかったけれど、最高の選手の存在を知れたこと、川崎フロンターレを応援したい、サッカーをもっと知りたいと思うようになり人生が豊かになったことは幸せなことだと思う。
中村選手のようにこの怪我を乗り越えてよかった、と思えるだけの選手としての活躍を遂げること。そこを復帰と捉えて、前に進んでいきたい。

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