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【詩】僕たち

7
僕シリーズ
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#ミニポエム

僕⑦

イワシが回遊するそのときに生まれる局所的な吹雪を美しいと思う 暗い足元との対比を思いジャ…

ゆっけ
3日前

僕⑥

青地に白抜きの無機物に沿って今日も僕らは進んでく 誰かがお前をせせら笑っても今ではなんと…

ゆっけ
11か月前

僕⑤

ぎゅっと抱きつき匂いをたしかめ 銀の天使をつかまえる つるっつるに濡れた床をすべるように進…

ゆっけ
11か月前

僕④

君にもらった綺麗な石ころ その正体は瑠璃なんだって 気づくのがあまりに遅すぎたんだ 波涛の…

ゆっけ
11か月前

僕③

緑色の月青い太陽 あの子はほんとになんでもありだな 僕もおんなじもんだとみんなは にやにや…

ゆっけ
1年前

僕②

白磁に汚泥が飛散する 君はその瞬間を目に焼き付ける 遠い記憶が蘇って潮のように満ちていく …

ゆっけ
1年前

僕①

あの日電車の中で初めて会った時のこと 塵一つ寄せつけないほどの厳かさで君は春琴抄を読んでいた 背表紙を清冽に飾るその3文字が瞬く間に特別な意味を持った やがて君と春琴が僕を支配した 谷崎の世界を知って君の言葉を夢想した 寝ても覚めても退廃の色香がまとわりついてくる 世界が色褪せて輪郭を滲ませていくのも悪くない