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【MTG】SNCフルスポ雑感

はじめに

ニューカペナの街角のフルスポイラーが出たので、主にリミテ視点で見ていく。

友好2色毎のテーマ

SNCの世界観として、友好3色毎に「一家」がある。一方でフルスポイラーを見た感じだと友好2色毎に何らかのテーマがあるように見えた。
ので、友好2色毎の特徴を見てみる。大体こういうのは多色のコモン・アンコモンを見れば見えてくる。
また、友好2色のテーマを説明する過程で、環境固有のキーワード能力についても考察する。

白青

「回避能力」と「カウンター」の2つだろうか。
前者はこの色ならどの環境でも多い。シンプルに強力な能力なので、しっかりフィーチャーされていることは安心か。
後者は主に「+1/+1カウンター」と「盾カウンター」になる。盾カウンターはこの環境ならではのカードだ。

要するにダメージや破壊を一度無効に出来るということ。《殺害》や《絞殺》などにも耐性があるため、強力な能力にも見える。一方で1/1のトークンにブロックされただけでもカウンターが取り除かれてしまう。また、盾カウンターを持てるクリーチャーは全体的に小粒な印象。総じて強力な能力だが、穴が無いわけではないので注意。

「+1/+1カウンター」だが、環境のキーワード能力である謀議によって乗せることが出来る。

手札を整理しつつサイズアップも期待出来る、便利な能力である。
ただ、この能力で土地でないカードを捨てるのは決して軽いコストではない。謀議持ちのカードを取り続けて土地でないカードを捨て続けたら、いつか手札は土地ばかりになるだろう。そうなっては手数で勝てない。むしろ後半は不要な土地を有効牌に変えるチャンスと捉えた方がいい。
これを鑑みると、謀議持ちは+1/+1カウンターが乗らなくても十分なスペックのカードを採用することが理想だろう。《こだまの検察官》などは飛行持ちなのでサイズアップしてもしなくても強い。勿論しても強い。

青黒

「あなたの墓地にあるすべてのカードの中に5種類以上のマナ総量がある」ことがトリガー。
条件が長い。《染みついた耽溺》とか酷いことになってる。なんやねん「あるのでないかぎり」って。

切削・謀議で墓地を肥やしていくゲーム展開になるだろう。環境のキーワード能力である犠牲も役立つか。

条件を満たすクリーチャーを生け贄にすることで、呪文をコピーして2倍に出来る。上記の《貴顕廊一家への入団》であれば、4/3を出しつつパワー2のクリーチャーが4/3に変わるわけなので、まぁ及第点だろう。
多くの犠牲持ちのスペルは犠牲条件を達成しないとマナ効率が悪い様に見える。クリーチャーと犠牲持ちスペルの割合やクリーチャーのパワーの割合などデッキ構築で気を付けないといけない要素が多いので注意が必要か。

青黒の能力の話に戻ると、5種類というのはまぁまぁ難しい様に見える。土地・2-4マナの4種類は良いのだが、5種類目のために1マナか5マナ以上のカードを一定枚数採用する必要があるわけだ。条件達成までの手順も加味するとどうせロングゲームになるので、5マナ以上のカードを採用して重くどっしりしたデッキになると予想。

黒赤

「クリーチャーの生け贄」に焦点が当てられている。犠牲のことを考えると、如何に生け贄要員を確保するかが重要になるだろう。
が、この環境には奇襲という別のキーワード能力もある。

奇襲コストを払って出すことで、そのカードは「速攻」「終了ステップ開始時に生け贄」「死亡時1ドロー」の3つの能力が付与される。
1度しかアタック出来ないが、1ドローが付いているのでリソースで損しているわけではない。《橋桁のうすのろ》であれば「4マナ2/2・タップイン・1ドロー・対戦相手に4点」という感じ。そこそこ優秀に見える。
勿論、通常コストで出して複数回の攻撃やブロックを狙うことも出来る。相手のライフを見てプランを立てることが重要になるだろう。

犠牲は生け贄要員を用意しないといけないのがネックだが、奇襲持ちは自身が生け贄要員であるためデッキに入れやすい。奇襲持ちを中心にすればデッキ構築は比較的容易に見える。上げた画像のうち《殺人魔》《鍛冶場の親方》はライフを詰める能力も期待出来る。
ライフを詰めることが出来れば相手は奇襲持ちをブロックしないといけなくなるため、リソース面でも優位に立つことが期待出来る。
中々面白いアーキタイプになりそう。
逆に対奇襲デッキの際は如何にライフを維持出来るかが大事か。

赤緑

宝物。シンプル。

そもそも3色環境において宝物でマナサポート出来るというのがもう強い。3色のみならず4-5色のデッキに仕上げることも視野に入る。多色環境は強いけど色が合わないカードがドラフトで流れてくることが多いので、それを拾ってデッキに組み込めるのは大きなメリットである。勿論、シールドでも強引なタッチを実現可能にしてくれるかもしれない。
他がシナジー寄りのテーマなのに加えてここだけグッドスタッフ感が凄い。おかげで語ることがない。

緑白

市民が着目点。
サブタイプが市民のクリーチャーが多数いる。また、市民クリーチャー・トークンを生成するカードもある。

頭数が並ぶということで、環境のキーワード能力である団結にも期待出来る。

他のクリーチャーが自分の場に出る度に能力が誘発する。
クリーチャー・トークンなどの利用で1ターンに2回以上の誘発も期待出来る。

団結持ちカードのおかげで序~中盤はライフを削りやすいだろうが、詰めるためには1/1トークンを上手く活かしたいところ。
装備品や《群衆の寵児》《街宣行進》といった全体強化によるフィニッシュを狙いたい。
犠牲1を使いやすいのもポイントか。市民トークンを生け贄に《屋上の迷惑》で2体寝かせて2ドローってのは、まぁまぁ強そうな動きに見える。

除去


《口止め》
《身代金の要求》
《必殺の一射》


《都落ち》
《証人保護》


《交渉の難航》
《なすりつけ》
《殺害》


《絞殺》
《着火》
《喧嘩上等》


《壊れた翼》
《賭け試合》


《不吉な小包》

全体的に弱そうに見える。
《殺害》と《絞殺》はマナコストに対して処理可能な範囲が広いので強い。が、残りは裏目が存在するかマナレシオが並か。
2種類あるオーラ除去は犠牲のタネにされる可能性があるのが好ましくない。勿論、色違いの相手には強いが。
インスタント除去が3マナ以上か賭け試合しかなく、予想しやすい印象。毎ターン3マナ構え続けるのはかなり難しい。コンバットトリックを絡めやすいので、攻め環境…なのかもしれない。
タフネス4あるとそこそこの範囲の除去に耐性がつくので、クリーチャー採用の目安になるか。

クリーチャーのサイズ

2-4マナ域が3/1〜3/3でズラリ、という印象。特に2マナ域。パワー3が期待出来るクリーチャーが多く、3-4マナ域は相対的に見劣りしがち。タフネス4がいないわけではないが、《こだまの検察官》(運用可能なら《カペナ急行》もOK)以外は0/4〜1/4と根本的な解決になっていない。
逆に3/4を超えると低マナ域のクリーチャーとそこそこの除去に強くなるので、1つのラインだろう。
また、タフネス2以下のアタッカーは可能なら回避能力持ちにしたい。《粋な盾仲間》をポン置きされるだけでビタ止まりしてしまう。

その他雑感

集まる群衆

環境にリソース確保手段が少ないので、ドラフトでかき集めて消耗戦に持ち込みたい。犠牲持ち呪文も運用しやすくなり、ピックの受けが広くなるのも良い。

身代金の要求

起動型能力でカードを引くのはクリーチャーのコントローラではなく《身代金の要求》のコントローラなので注意。起動しないと攻防に参加出来ないが、起動し損なデザイン。

こだまの検察官

トップコモンの一角に見える。3/4飛行は盤面制圧出来るラインだし、消耗戦時に土地をドローに変える動きも強い。白青なら飛行軍団の一角として、青黒なら墓地を肥やす要員として役割もある。

貴顕廊一家の新入り

相打ち要員としても謀議で捨てるカードとしてもアリ。パワー3なので攻め手としても悪くなく、扱いやすいクリーチャーに見える。

騒乱の巡回者

2マナパワー2の威迫は及第点。また奇襲が2マナと軽いので、余ったマナで雑に投げてもいいし、《着火》などと組み合わせても良い。

カルダイヤの力自慢

2マナ生物→3マナ生物→これ奇襲と動くだけでリソース損失なく盤石な盤面が作れる。5マナ4/5として出しても強く、中々に柔軟性がある。

宝石泥棒

勿論十分なスペックなんだけど、2マナ域のクリーチャーが強いのでそのままでは飛び抜けて強い感触ではない。
警戒トランプルがあるので《カルダイヤの力自慢》や《早抜きの短剣》での強化先としてはかなり優秀。

殺人魔

お膳立てが必要で速効性には欠けるが、奇襲と犠牲のおかげでお膳立て自体は簡単。
《橋桁のうすのろ》奇襲→ゾンビを種に《貴顕廊一家への入団》犠牲で4/4と4/3x2が揃う。コモンだけでそれなりの盤面が作れるのは良い。

市民の奉仕者

2マナクリーチャーの中で最強かも。序盤から3/3絆魂になれるのでライフレースを過去のものに出来、奇襲デッキに対してリソース負けの危険性が減る。

風変わりなペット

+1/+1カウンターが乗ったクリーチャーがいれば3マナ3/3瞬速アンブロ相当となり、中々に打点が高い。《屋上の迷惑》も使いやすく、テンポ面での優位に期待出来る。

ジェトミアの仲介者

デッキ全体で宝物や用途をどうするか考えておく必要がある。マナの喰いっぷりも凄いので2枚以上引いたときの扱いも簡単ではない。
ナチュラルに使うためにはハードルがやや高いが、2マナで4/4以上が狙えるのは中々に魅力的。

盤石、ミスター・オルフィオ

打点が結構ヤバい。トランプルや威迫で強引に押し込んだり、奇襲クリーチャーをブロックさせてリソース差作ったりと、組み合わせは色々ありそう。

砕かれた熾天使

サイクルの中でも最重量だが、4/4飛行に3点ゲインと、フィニッシャーとして十分な性能。
土地を伸ばす意義があると謀議で非土地カードを捨てるモチベーションに繋がる。

詮索する新聞記者

条件達成で2マナ3/3絆魂は強いし、切削2を持っているので条件達成に近付けるのも良い。落ちたカードに応じて謀議で捨てるカードを決定することもあると思う。

不吉な小包

中〜長期戦のデッキなら中々に器用なカード。能動的に墓地に落ちるMV1のカードなので青黒系のデッキが一番合うか?

小走りの執事機

市民トークンが多色なので緑白系のデッキでは容易に達成出来るだろう。特に《放蕩の歓楽者》は1枚で達成可能。パワー4の二段攻撃は流石に打点高いので、ドラフトでは積極的に狙っても良いかもしれない。

2色タッチ1色

いくら3色環境といっても各色のカードを均等にしてしまうと土地事故が頻発するので、余程遅いデッキでない限り基本は2色タッチ1色になる。2マナ域がしっかりしているこの環境だと、遅いデッキでも2色タッチ1-2色にして序盤の動きを安定させないと厳しいかもしれない。
そうなると考えないといけない事は「2色でしたいこと」「タッチカラーでしたいこと」になってくる。

が、タッチしてまでやること?となるものも多い。

例えば、《作業員の上長》はタッチするだろうか。特に黒赤は前のめりに攻めたいデッキなのに、タップイン土地を増やすという真逆のことをする必要が出てくる。リスクを抱えてタッチする割には、リターンはあまり多くない様に見える。

勿論、リターンの大きいものは積極的にタッチしたい。スポイラーを見た感じでは、タッチしたいと思ったカードは以下の通り。レア以上は多いのでアンコ以下を抜粋。

■カードアドバンテージを得られる
《厚顔な成り上がり》
《死体鑑定士》
《敏捷な窃盗犯》
《舞台座一家の料理人、ロッコ》

■除去として利用できる
《雑集家、ラグレーラ》
各種魔除け
(コモン除去も場合によってはアリ)

■ゲームを決められる能力がある
《盤石、ミスター・オルフィオ》
《砕かれた熾天使》

なんやかんや多い…ので、特にドラフトはいつでもタッチ出来る用意をしておくことが大事かも。

終わりに

やはり多色のリミテッドは面白そうな要素が多い。
アーキ毎のギミックが相手毎に強弱あるのも面白く、例えば盾カウンター主体のデッキが市民トークンをどう対策するかなど、如何にサイドプランを用意するかも重要そう。アリーナだとBO1のモードもあるしメタが変わるかも?
ただテーマがまぁまぁバラバラなので、3色環境だからと適当に友好3色のカードを集めてもダメそう。この辺りは実際に回して使用感を確かめたいところ。ドラフトも思ったより難しいかも…だからこそ、早く遊びたいですね。

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