入門書ではじめる水平思考のススメ
自分の仕事で関わっている領域の本を読む際、基本的には入門書から読み始めて、徐々に専門性の高いものを読まれると思うのですが、ここでは一通り勉強もして、経験もある方にとっても入門書って意外と有用だよねというお話をしてみたいと思います。
入門書とは何か
入門書の定義について簡単にまとめてみたいと思います。こんなところでしょうか。
ある領域について、
1. 初めてその領域に触れる人でも分かるように平易に書かれている
2. 最低限その領域をざっくり語るために必要なテーマが網羅されている
入門書がなぜ良いのか
上記のポイントに絡めてお話します。まず1点目についてですが、専門性を高めていくと誰しも経験あると思うのですが、難しいことを勉強して知った気になっていても、実はそんなに理解できてなかったみたいなことってあると思います。それがよく分かるのが、他の人に平易な言葉で説明できるかどうかですね。ついつい難しい本とか読むと知った気になりがちですが、改めて平易な言葉で説明するとしたらどう説明するかは常に意識した方が良いと思います。結局そういう説明がスッと出てこない部分は自分自身もまた振り返りながらじゃないと使いこなせなかったりして、仕事の中でいざその知識を使おうと思っても使い物にならなかったりします。頭の中にインデックスを作っておくだけでも良いと思いますが、やはりパッと取り出して使いこなせるレベルにしておくことはとても大切だと思います。
2点目ですが、仕事で関わっていると、その領域の専門家になった気分になりがちですが、案外知識は偏りがちだったりします。プロジェクトやビジネスライン的に深く関わる部分と全然関わらない部分があったりします。そのため、全体の知識を改めてバランスよく体系的に整理するのに入門書は役立つと思います。例えば、何かの課題でつまずいていて煮詰まっている時などに、直接関わらないけれども間接的に関係するような部分の知識に触れたりすると、パッと閃いて解決できたりすることがあります。とある商品の設計で悩んでいた時に別商品に関する本を読んでいたらこの商品設計こっちにも取り込めるんじゃない?とか、直接的な業務の範囲を超えて周辺業務に関するような部分の本とか読んでいたら、この業務の下流にこういう業務があるからこういう機能あると顧客にもっと付加価値提供できるかも?という感じですね。私はこの水平思考的な体験に結構助けられて仕事で成果に繋がるようなこともありました。
ときどき見かける残念な人
入門書ってなかなか難しい部分があるのですが、本の評価は結構割れがちなんですよね。それに入門書ならなんでも良いかというと、本屋でパラっと見て、これは流石にちょっと説明がいい加減かな、とかこれは網羅的な感じしないな・・・とか感じることはあるので、自分のフィーリングに合う本を見つけられるのが良いと思います。
ただ、ときどき見かけるのですが、入門書に対して「知ってることしか書いてなかった」とかマウントする人いますよね。お前は入門書に一体何を期待しているんだ。専門的な内容を学びたければもっと専門的な本を読め。入門は終えたけど、専門的な内容についていくのが心配でまた入門書に戻ってきた輩ですかね。知りませんけど。そういうので、結構良い入門書のレビューが中途半端な知識ひけらかし野郎によって荒らされるのはなんとも残念ですね。
まとめ
経験者や有識者が改めて入門書を読む上で大切にすべきポイントは、当然新たな知識を得ることではなく、今取り組んでいることをよりシンプルにするためのヒントはないか?とか、網羅的に考えた時に見落としているポイントはないか?とか、あるいは水平思考で全く新しいアイデアの種が落ちていないか?というポイントだと思います。
この視点で入門書を読むの、意外と悪くないですよ。
ちなみに読むときは1〜2日で一気に読めるといい感じです。横にはメモ帳か何か置いて(私はGoogle Keep使ってますが)。
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