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まぐろを煮る

生の魚が苦手である。
食感がどうにも駄目なのだ。喉につっかえる感じがするのである。奴らは、私がまだ噛んでいたいのに、つるりと喉の奥に滑り込もうとする、気がする。

刺身用のまぐろのサクを買った。特売だったのだ。だが、私は刺身を上記の理由により食べない。

なので、煮る。
砂糖とみりん、酒、醤油、生姜でグツグツ煮てしまうのだ。水は入れない。照りが出るまで煮詰めるのだ。

刺身でも食べられる魚を煮る、このちょっとした背徳感・罪悪感。

落とし蓋の豚が汗をかいている。
私の代わりにかいているに違いない。


補足 まぐろは小さく切ってから煮て、酢飯に混ぜても美味しい。落とし蓋(豚)は本来白かったのだが、歴戦によりイイ感じの色になった。

#エッセイ

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