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個性

 無明を美しさの窓として描きだした左手を
 傍で見ていた数のない色たちが
 自分と戦わずに自分を味方にした



個性


谷筋を清く流れる白糸を
唯追う試みの狩人

翳る冷気

一瞬の後に崩れた光を
吞込んでまた先刻

ジッと忍ぶ

科学された不幸を
苔の若く待つ時代

幼気な嫌気

風雪の凪を
何と呼んだか

乾く




個性
雪屋双喜
2024.9.13




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