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詩 #35

冷蔵庫の中に
時計を置いてみた

午後3時
をゆっくりにしたい

ただそれだけのために

アナログ時計は簡単に狂った
そう簡単に

デジタル時計も簡単に止まった
そう簡単に

積み重ねた技術も
ハンマーで砕かれればそれまでだし
電池が必要な限り彼らは完璧にはなれない


それは永遠を愉しむための行為だった
一瞬の破壊 砕けて散るその今際 
そんなものは どうでも良い


時計だけが止まればいい
彼らだけが狂えばいい

そうすれば

そうすれば

私の命は計られず
私の思いは永遠を失い

言葉だけが
創作だけが

全てを繋ぐ法となる
永遠に


午後3時
狂った時計を嘲笑う

そう私は
真なるものの創造者
世界は今

時を奪われたのだ


2022.3.20 計

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