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白果

国境の
それこそ長いトンネルでも越えて
訪れた街の整備されない古道を隠す雪

踏みしめられて牡丹の光を見上げる
苦しい曲がり角の先で指でもなぞって
勇魚となり

大地へ潜り押しつぶされる方が
なお好い生き方を望む心の奥底が
いま私を外へと駆り立てる衝動

白果

実るよりも早く
出会える不幸を
手を伸ばして味わう


2023.9.29
白果 雪屋双喜

生を彩ることを雪を眺めるように想う

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