天使の翼をレンタルできて
名も知らぬ鳥と似た羽を背負う時代
動かし方を忘れた後で
理論だけで塗り固められた
かつての神話上の白い翼は
勇気と自信と教育とで
明日には影を点々と孕んでいる
なぜそこにあるのかも
なぜ動かないのかも
なぜそれを忘れたのかも
問われることなく
時代は流れ
歴史を知らぬ反権威主義だけが
過去の絵を捨てた新たな羽に
青を重ねていく
いつしか空に近づいて
見えなくなったその頃に
天使の翼も古くなる
詩
雪屋双喜
2024.4.13
現代詩を書くにも学ばなければ不自由に違いない。
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