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ひとりゲイジュツ

どこか行きたい

人の罪を星のように眺めてみたい

怒りを血の味以外で噛み締めたい

なら描こう



なでる
→りんごのつや

ほしい
→こいのあと味

それならいっそ愛のリンゴを嚙みちぎろう
→なら愛なら恋より許せそう

コマンド
笑顔
→・・・

良い人より心を許せる人でありたい
愛を語るより恋を笑える人を愛したい
絵描きよりも詩書きよりも考えてる人を見つけたい


美しさの対極を悲しみと定義しよう
現代文の類義語を餅の形と定義しよう
読んで食べて味わって。

コマンド

→微笑めばよりよい


幻の何かを探しに行こう
→なら冒険なら誕生日を祝おう

世界はじゃばらに重なって見えた
→岡倉天心白布を剥ぎ

まっさらなノートを愛している
濁った芸術の本質を愛せないでいる
現代芸術の進歩を飽きた目で諦めない

げにげに人生これ
生きるに足るなら生きてみて

死ぬ前にいっそ名前を叫んで自己紹介
私は愛を知りません
→・・・

コマンド
喜ばしい
→祝詞を読み上げ場を凍らせよう

あいつとあいつをくっつけて
余ったひとで
星になる

面白いねえ
ねえ面白い

何がと訊かれたら答えてあげる準備はできてる
あなたに世界を教えてあげる
私の知らない存在の外側の液体を触らせてあげる

ばっちい



どこか行きたい

見たこともないどこか

人生を賭けた熱に浮かされたい

あなたの最期を描きたい



私は星になり
空気になり
画になり
酒になり
感情になり
色素になって

あなたの最期を描きたい


あなたの最期を世界としたい

描き手のエゴを押し付けて

あなたの最期を肯定したい


だからひとり
ゲイジュツの盾で
尖った刃を合法化する

他人の愛を蔑んで
真贋なんて関係ないのに
間違いを探して世界を重ねる


ああ
どっかへ
行ってしまえ

見えない世界を黒で塗るなら
手を伸ばし
闇と

黒と

描き分け
愛と

恋と

人生と
感じ分け
誇りと

意味と

現実と

戦争と暴力と

平和と
一体化して
保守的に見える現象を
心理よりも内面で

結び付けて画にしよう
それを世界と名付けよう

私のスクウ
ゲイジュツとしよう

そう
しよう

コマンド

→紋

私の言葉を
あなたにあげる

この視線を
あなたは知って

意識を
あなたは学んで

思想を
あなたは更に切り取って

世界をつくるんだ
あなたのゲイジュツ


雪屋双喜
2023.5.14

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