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詩 #5

パンダが動くだけの世界
海と空を繋げてみる
音だけが不自然なくらいに元のままで

木を隠すには森 なら私は駅前に行こう
駅地下でも ホームでも もう私を隠せない
雨が降る駅前の 投げ捨てられた飲みかけの缶の中
誰も私を見つけられないくせに 私がいなくなって

雪が降る前の東京
アスファルトも自販機も
大丈夫 私は冬が好き
ラジオと止まった時計と同じくらい

貴方たちの描いた詩は 今の私には優しすぎる
心を砥石にして 軟らかい心は削れていく
命よりも 心よりも 大事な
喉から溢れる私の言葉たち
他人のそれみたいに私を驚かす

パンダを白黒と信じてるのが
私だけなら どれほど楽だろう
馬鹿にして 白黒にして
そのまま そのまま いっそのこと


2021.11.22

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