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詩 #11






部屋の明かりが消えて
電子機器の声を聴く







彼らは私よりも
話すのが上手なのね
彼らは私よりも
存在を主張できるのね







それがあなたの言う
私の良いところ?







暗闇という言葉が
少しずつ
視界の端から消えていく








その代わりに映りこんでくるのは
昼間と変わらない七畳半
まだこたつも置けていない








そのくせして
ぼんやりと
暖かい








カーテンが邪魔だと
そう思ったのが先々週








夜の街は明るすぎると思う
月を見上げることも忘れそう
星があるのも忘れそう







忘れた何かを忘れそう








水を飲もうと思って起きてきた
部屋に明かりをつけるのも面倒で
主役になるのも面倒で
ここでも私は隠れていたいんだ






いたいんだよな






いたいんだよ







いたい?






2021.12.9 「トーキョー」


 ねね、11ってゾロ目って言うかな

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