詩 絶対性理論
当たり前のことを
発見したくて
冷蔵庫の中を引っ掻いてみる
重力の歪む想像力の向こう側に
行けたら行くくらいの返事をして
今はここでアイスでも食べたい
体の中に取り込まれて
空気と一緒に香りを飛ばし
呼吸と一緒に私を消し去る
タイムマシンよりは
寿命を縮める努力がしたい
伸ばした手の指先が私のものでなくなる
振りほどいた腕の傷が脳を麻痺させる
背中に触れた何かを今はまだ知りたくない
絶対性理論
その響きをあなたは当たり前と切り捨てた
その一瞬を落とさぬようにと拾い集めている
私がいる
2022.9.18
雪屋双喜
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