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「現代」が古くなるその頃には僕ら。


前髪の長さを気にする文化祭明けの秋冬
電線の鳥の鳴く声が騒がしくなって
何時まで経っても大人にならない僕ら
子供だった頃を教室の音の中で懐かしく語り合う

「現代」が古くなるその頃には僕ら
大人になれているのだろうか
外見そとみが変わって擦り減って
心は傷を言葉は棘を抱えこんではいないだろうか

「現代」が古くなるその頃には僕ら
互いを忘れずいられるだろうか
自分の為だけに死んでく僕ら大人になれていたのだろうか
青春の青は春の横にいるからあの色だった

「現代」が古くなるその頃には僕ら
遠くの人を命尽きるよりも早く抱きしめに行く
多様性なんて言葉で放置しないでこの目できちんと知りに行く
文化も思想も宗教も違っていても会うことはできて
現代を乗り越えてそこに行くために

「現代」が古くなるその頃には僕ら
また嘘みたいに笑ってたいな


雪屋双喜 2023.11.8
「現代」が古くなるその頃には僕ら。

僕にできるのは書くことだろうから。
一つになろうと、何かを目指すわけでも。
平和に生きようと、現実を忘れるわけでも。
ただ人間らしく全ての命が終わりを迎えられるその為に。

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