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故郷思い、お魚料理③ イワシのつみれ汁。

早期退職した私は娘の家族へ週1回のおかずの差し入れをしている。そして昨日はメニューを考えながら、「魚とか最近作っていないな。」と、今日は寒いしイワシのつみれ汁とかどうかなと、思いながらスーパーに行くと、脂ののったイワシがなんと1尾60円だった。しかも、開いてあるのと、丸ごと一尾と両方ともだ。

何人かの買い物の女性が「ひらけないしね、私はこっち」と言って開いたイワシを買っていたが、私は先にたくさんあったイワシの中から目の色が澄んでいるような新鮮なものを、一匹まるごとを買った。


私は海辺育ちでアジやサバがたくさんとれ、毎日魚を食べて育った。もちろんアジ、イワシ、こぶりのサバくらいは釣り好きの主人が買った出刃包丁もあるし、そこそこさばける。いわしなら手開きも可能だ。


つみれ汁は、イワシはスーパーでうろこを取ってあったので、頭を取り内臓を出してから腹を手開きして、骨と上下の身の3枚にした。

この辺で「あー、魚の匂いだ。海の匂いだ」と思いながら、「おいしくなーれ」とを包丁で縦横、下から上に身を返しながら、トントン、トントン、たたいてミンチ状に。

この音を聞くと母がアジのたたきを作っていたのを思い出す。だからこの辺で新鮮な魚はわさび醤油をつけて味見をしたいところ。でも食べだしたら止まらないな、今日はつみれ汁だから、がまん、がまん。

これをすり鉢にいれて魚の臭みけしの味噌とお酒と生姜汁を加えて、混ぜる、おいしくなるように混ぜる。分量は目分量。


そして水から入れた昆布が鍋の中で踊りだし沸騰してくるころ。

さて、ミンチにしたイワシを大事に2つのスプーンですくって丸めながら、鍋のだしにに落とした。イワシの団子はいったん下に沈みすぐ、ふわっと

上に浮き上がってくる。一つ二つ、三つ、鍋の中が賑やかになり、私のこころもふわふわしてくる。いい香りが漂う。しばらく沸騰させ、今度はゴボウやダイコン、ニンジンなどの台所で待っていた根菜たちを入れる。もちろん野菜たちは魚より先に刻んでゴボウは灰汁をとっておいた。

野菜が入るとさらに香りが増す。根菜たちは、お母さんの香り、みんなを包んで温めてくれる。野菜が柔らかくなったら、最後は醤油、酒をいれ味を見ながら塩で味を調える。おっと味を占めるネギも忘れてはいけない。


私の好きな海の香りのする、あったかーい、つみれ汁ができた。

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つみれ汁を食べながら、ふるさとの海を思い出す私だった。


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