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私の20代〜30代、そして40代へ

20代って、いつか終わります。そして、30代もいつか終わります。当たり前ですが、時間はさらさらと流れていくんですよね。

気がつけばもうすぐ40歳。「え、トイストーリー3って公開から10年経つんだー」とか言ってたらゾっとしました。子どもも大きくなり、私に常にくっついていた頃から比べると、少しずつ離れてきています。

これは、40歳になる前にこれまでのことを振り返り、その時の私に声をかけるただのポエムです。

何不自由なく仕事に集中できた20代前半〜中盤

昭和世代ですので、セクハラパワハラ、「女性だから」と舐められたことは多少ありつつも、ありがたいことに、妊娠するまでは平等な世界で働けていると思っていました。「努力すればなんとかなる」と思っていたというのが近いです。この時期に仕事に一生懸命になれたのは、巡り会えた会社、上司、同僚のおかげ。今でもそのご縁が続いています。

20代前半の自分にアドバイスするなら、「頑張ってて偉い!でも食生活はもうちょいちゃんとしたほうがいいよ」

子どもになかなか恵まれなかった20代後半

個人的なことであれですが、30代中盤くらいまでに子どもが2人ほしいな〜なんてふわっと考えていたので、結婚した20代後半から意識していたのですが、なかなか恵まれず。何年かの不妊治療を経て妊娠しました。この期間で、「人生には、どう頑張ってもどうにもならないことがある」ことを学びました。

大げさな言い方ですが、心が落ちたまま這い上がれないことってあるんですね。子供に恵まれないこと自体は不幸なことではなく、きっと時間が経てば乗り越えられるだろうと夫婦で考えていましたが、それでも「どうしようもないこと」を受け入れるには、まだ私は弱かったです。
(そもそも結婚できたことが幸せだし、結果的に子どもに恵まれてるので、幸せじゃんと思われるかもしれません。)

不妊治療の期間はツライ毎日でした。オフィスの席替えで自分の目の前に妊娠中の方が座ることになっただけで仕事に支障が出ていたくらい。「私はなんて自己中心的な人なんだろう」と、自己嫌悪に陥りまくりました。そんな精神状態でまともに管理職を務めることはできず、別の部署に異動させてもらうことにしました。とはいえ不妊治療には下手すると年間100万円以上のお金がかかります。稼がなければならない。なのに、自分の大事なキャリアを、自分で手放してしまいました。(その後、異動先の部署、仕事に恵まれたのがありがたいです。)

20代後半の自分にアドバイスするなら、「自分を否定しないで。何も悪くない。そのままで大丈夫」

産後、どう働けばいいかを見失った30代前半

ちょっとしたトラブルはありながら、無事出産でき、1年の育児休暇を経て復帰しました。(ほんと、ありがたい。)自分自身は、「20代の頃と何も変わっていない、ブランクだってすぐに埋められるよう努力する」そう思っていましたが、あの時のようにバリバリ働くことは、もう無理かもしれないと思わされたのが復帰後1〜2年。当たり前ですが、育児はそんなに簡単ではなく、誰かの力を借りなければこれまでと同じように働くのは到底無理でした。

夫にも仕事の大変さがあることはわかっているし、なぜか「自分が産んだことで夫のキャリアに影響が出てはいけない」なんて責任感がわいていました(笑)一方、「なぜ私だけこんなに大変で辛いんだ、誰もわかってくれないんだ」と追い詰められていました。

無理だ。時短勤務で成果を上げるなんて。多少頑張ったところで無理がある。しかも帰宅後は育児育児育児……。子どもは死ぬほど可愛い。でも、私の人生も大切。どちらも選択したい。

心の整理がなかなかつきませんでした。

「家事育児と仕事と、どちらも得ようなんて贅沢。人生には選択しないといけない時があるのよ」という先輩のアドバイスが頭をよぎります。当時は「そんなもん知るか」と思ってたけど、現実はそんなに甘くなかったですね。

ベビーシッターさんに依頼したり、地方の実家に住む親を呼んだりしたものの、頑張れば頑張ろうとするほど空回りし、「妊娠前のあの時までの私はなかったことになるのか」と、不安でいっぱいな毎日。時短で働くおばさんなんて、会社から求められていないんだ。と、かなり落ち込んでいました。妊娠出産できるのは女性なので、ブランクがあくのはどうしようもないこと。でも、出産の有無で、こんなに男女差がくっきりと現れたことは、自分の価値観を変える大きなできごとだったように思います。「あー、マミートラックってこれか〜〜」って思いました。

30代前半の自分にアドバイスするなら、「毎日焦り、不安だったと思うけど、育児を頑張っているだけで十分偉い。」

私に合う働き方、貢献できる場所を探す30代中盤

そこからは「子育てしながら働く」ことを、自分自身とすり合わせながら働いていました。つらいことがあれば逃げていいし、逃げて失ったものがあればまた作り出せばいい。そんな風に少し楽観的になってきました。

「まあ、なんとかなるだろう」と思えるようになったのは子どもが5歳くらいの頃。3年ほど前でしょうか。その後「小1の壁」もあったけど、子どもの成長に伴い、育児と仕事との両立で悩むことは少なくなりました。いや、20代のバリバリやってた自分とサヨナラできたのかもしれません。あの頃の私とはもう違うということを、やっと受け入れられました。

そのうえで、「仕事は仕事でちゃんと貢献したい」という欲が強くなり、一から頑張っていたのもこの時期。時短勤務だろうが、おばさんだろうが、仕事仲間と同様に切磋琢磨できることに喜びを感じていました。

ちなみに、夫の育児参加に不満があったかというと、不満というよりは葛藤していたというのが近いです。夫にも夫のキャリアがあり、性格や得意不得意があるので、家事育児の分担は数年かけて折り合いをつけていきました。ここは家族それぞれの働き方、役割、価値観があるので、じっくり見つけていくしかないですね。

大切にしたい人、大切にしてくれる人の近くにいよう

40歳になるにあたり、これまでを振り返ると、20代はとにかく自分のため、30代は少し家族や子どもに対して目をむけ、自己中な自分からほんの少しだけ周りに目をむけることができました。

これからは、今まで私を大切にしてくれた人、大切にしてくれる人、大切にしたい人と一緒にいたいと思います。一番は家族。次に仕事仲間、友人。

私を必要とし、大切にしてくれる人は誰か、振り返ってみれば、そんなにたくさんいないんです。だから近くにいる人を大切に、楽しく生きたい。私を大切にしてくれない人、無礼な人とはもう関係を切りたい。

仕事をバリバリやりたいことに嘘はないけれど、どちらかというと「私らしくいられること」が仕事の原動力。仕事を通じて大切な人が増えることも、人生を豊かにしますよね。(もちろん生活のため、子どものためにお金は必要ですが。)今働く会社でも、新しく出会うみなさんとても魅力的で、毎日充実しています。少しでも貢献して、お返ししていきたい。

まだ40歳。健康に問題がなければあと20年は自由に生きられるはず。20代のころは40代なんてはるか遠い先のように感じていたし、もっと老いている印象があったけど、気持ちは20代の頃とそんなに変わらない。意外と楽しいです。

「40代、結構ポジティブに迎えられそうだよ」ということを20代、30代の自分に伝えたらどうなるだろう。あの頃の自分に会ってみたい。


「この、赤ちゃんの僕に会いたい」って、iPhoneのカメラロールを眺めながら言う息子を見て、私も過去20年を振り返ってみたのでした。

あー、30代の私にサヨナラ〜〜