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阪神ファンのトラウマになった男、鮮烈な2本の3ランHR

 このタイトルの阪神ファンとは連れ合いのこと。ヤクルトの選手は、ベテランと山田村上くらいしか認知していなかった我が夫です。両親ともに阪神ファンなので、この世に生まれ落ちた瞬間から阪神ファン、私も以前は一緒に阪神を応援していました。

 その彼の頭に、今季、強烈な印象を残した選手がいます。西浦直亨選手(29)。私がヤクルトファンになったきっかけでもある、入団7年目の遊撃手です。

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◆2020.6.25 ヤクルト対阪神@神宮球場◆

 阪神の先発はスワローズキラー秋山投手、ヤクルトの先発はオープン戦好調の高梨投手でした。

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 両投手とも毎回0点に抑える好投を見せていましたが、7回105球を投げた高梨投手が降板、代わったマクガフ投手が、これまたスワローズキラーと言っていい梅野選手に先制のホームランを打たれます。

 1点をリードされ、マウンドにはスアレス(弟)投手。簡単に打てる相手ではありません。代打の宮本選手が空振り三振、続く塩見選手はショートゴロ、ベテラン坂口選手もセカンドゴロに打ち取られます。

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 9回表のマウンドには、ホークス育成から移籍してきたはせちゅーこと長谷川投手。受けるキャッチャーも今季引退された井野選手に代わりましたが、糸井選手から始まるクリーンナップ(4番マルテ選手、5番福留選手)を三者凡退に打ち取ります。

 そして迎えた9回裏。マウンドには藤川球児投手の姿がありました。絶対的守護神の登場に気持ちがややトーンダウンしたことを覚えています。

 2番山田哲人選手から始まる好打順ではありましたが、山田選手はフライアウト、渡邉選手が四球を選び出塁したものの、続く村上選手が空振り三振。そして、上田剛史選手が期待に応えてヒットを放ち、2アウト1、2塁で打席に立ったのが、「代打西浦」。

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 この時の気持ちをどう表現したらいいのでしょう。空振り三振、2者残塁3アウトの瞬間、そこにいないはずの神宮の観客のため息と推しへの非難が聞こえてきそうな、そんな場面に彼を立たせた指揮官への、憤懣やる方無い気持ちとでも言いましょうか。

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 確かに、練習試合は好調だったと思います。体幹がしっかりして、スイングの軌道も力強く、しっかり振り抜いていました。とはいえ、この場面。落ち着いては見ていられません。ハラハラドキドキの2球目・・・

 キタァァ━︎(ノ>ω<)ノ :。・:*:・゚'★︎,。・:*:♪︎・゚'☆︎━︎!! プロ初の代打逆転サヨナラ3ラン‼︎(画像が無いので、別の試合の時のを↓)

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 録画を改めて見てみると、無観客ゆえにチームの表情にカメラが集中、特に村上選手の喜び様は群を抜いていて、何度見ても微笑ましいです。(そして、はせちゅーは気がつけばプロ初勝利でした、気がつけば・・・) 

 それ以降の夫は、なんの試合を見ていても「ああ、西浦かぁ」「わ、ここで西浦かぁ」「西浦なぁ、思い出すなぁ・・・」と。ちょっとしたトラウマになったようで、家にある西浦グッズにも反応するようになってしまいました。

◆時は流れ、2020.11.3 阪神対ヤクルト@甲子園球場◆

 序盤戦のことなどおたがいにすっかり忘れた頃。迎えた11月3日(火)、甲子園での阪神−ヤクルト戦でのことです。(写真は横浜戦の時)

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 ここでもヤクルトの先発は高梨投手。そして阪神は秋山投手以上に苦手としている青柳投手。この日もまた投手戦となり、9回終わって1-1の同点、延長戦に入りました。

 10回表、阪神のピッチャーは岩貞投手に変わっていました。キャプテン青木宣親選手が粘って四球を選んで出塁、村上選手、エスコバー選手が倒れて2アウト。代打山田選手がまた四球を選んで、2アウト1、2塁でいつか見た「代打西浦」。

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 このシチュエーションに、実況のアナウンサーが逡巡するように「藤川が引退を決めたわけですが、その兆候というか始まりというと、6/25に西浦に逆転スリーランを打たれたんですよねぇ。」と語り出し、解説も「なんか思い出しますよねぇ」と。その直後でした。カキ━︎ン(ノ>ω<)ノ :。・:*:・゚'★︎,。・:*:♪︎・゚'☆︎━︎!!

 あまりにも絵に描いたような見事なフラグで、そこだけが脚本ありきのドラマのように思えるほどでした(インサートされるブルペンの映像に藤川球児投手の姿などあり)。

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 ちなみにこの日は火曜日。ヤクルトは7月7日からこの日まで火曜日は一勝もできず、一部では魔の火曜日と呼ばれていたようで、その意味でも気持ちが上がる、値千金の勝利だったと思います。

 でもね、西浦直亨選手の対阪神戦打率は対巨人と並んで、.163、本塁打は2本しか打ってないんです。その2本が、これとこれなんです。全体で.245、本塁打は10本。記録より記憶という典型的なタイプのようです。

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 ちなみに、ヤクルトファンにとっては、中日の堂上直倫選手が似たような存在。「代打堂上」ほど恐ろしいコールはありませんので、お気持ちはお察しします。(昨日のプロ野球チップス、なおみちとなおみちでビックリ💦)

 ということで、インパクトがありすぎた今季の対阪神戦。夫以外の阪神ファンにも覚えてもらえたでしょうか。

 来季はインパクトだけでなく、コツコツと.260くらいは打って欲しいなぁと願っております。

 頼むよ、西浦直亨!

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