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140字で読書記録

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読んだ本のいちばん印象に残った要素を「つぶやき」の制限字数内に凝縮したものです。
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140字で読書記録

読んだ本について「つぶやき」で記録に残す、というのを突発的に思いついて始めました。 感想のような要約のような、どちらでもないような。 本を読んで最も印象に残った要素を凝縮して書いてみます。 意味不明かもしれませんが、読んだ方にはなんとなくでも言わんとすることが伝われば。そして読んでいない方には、なんとなくでもその本の雰囲気が伝われば嬉しいです。 「最も印象に残った要素」は必ずしもその本のテーマとイコールではないと思います。「え?そこ??」というところかもしれません。

140字で読書記録/「ブラフマンの埋葬」小川洋子  名前も素性も記されず、舞台である《創作者の家》とそれが所在する村での関係性だけで描かれる登場人物。何の生き物か最後まで言及されないブラフマン。静かに保たれていた距離感の均衡がわずかに崩れたとき、ひとつの穏やかで愛しい夏が終わる。

140字で読書記録/「ラストパス」中村憲剛  結末だけが先にあった5年間の筋書き。ご本人の凄さや素晴らしいご家族・関係者の存在に呼応するように展開する運命が、結末に至る空白のページに「出来過ぎ」な物語を刻む。試合シーンで当時の熱気や感情が鮮やかに蘇る・・・方々が羨ましい新規な私。

140字で読書記録/「推し、燃ゆ」宇佐見りん 自分の価値観の根幹に、自分のものではない何かを据えるということ。 どんなに尽くしてもカーテンの向こうには行けないし窺い見ることすらできない事実。 良くも悪くもライトだと思っていた「推しがいる世界」に絶対的支配的な側面を見る。