悪夢シリーズ最新作

 ひとつ前のnoteで巨大な生物に追いかけられる夢について書いた。
https://note.com/yukiusag1/n/n3df0df36b287
 あれは幼い頃にしか見なかった夢だが、つい先程似たような夢を見ることが出来た。内容は『巨大イカに追われる夢』だ。

 住宅街の側溝に集まる住民、何があるのかと覗いてみると「漁」をしているらしい。男が太い腕を突っ込んで引っ張り出したのは巨大なスルメイカだった。
 引っ張り出してみると二階建ての家の屋根に届きそうなほどの体高をしており、太い2本のあしを使って膝立ちのように直立している。これはすごいと口々にいい、民家の庭の前にオブジェのように放置される。

 人々がショッピングモールへ帰る中、直立していたイカがのそのそと動き出す。最初に異変に気がついたのは私だった。2本のあしで膝立ち歩きをしながら、残りのあしを引きずるように歩いている。動きは緩慢だが、体が大きいために進むスピードも速い。気がつくと後ろの方の人が追いつかれていた。
 私はその巨大イカから殺意のようなものを感じていた。側溝での長い眠りを邪魔されたイカは激怒しているのだ、と。人類に対する怒り(イカだけに)を持った彼は目に入る人間を殺そうとしているのだ。私は逃げなくてはという思いから早歩きになり、次第に走り出していた。
 走っているうちに巨大なアスレチック施設にたどり着く。私は登山家なので(少なくとも夢の中ではそうだった)多少の坂道も難なく進んでいくことが出来る。さっさと進んでいってみんなを置いていくことは心苦しかったが(とろい方が悪いよな、命かかってるし。危機感持たなきゃ危機感)とも思っていた。

 様々な障害物をクリアしていってゴールした私は、ロッカールームで着替えようとしていた。ロッカー同士の間隔は狭く、イカが出入りできないように見えた。しかし、万が一彼がきてしまっても見通しが効かないために気が付きにくいだろうとも。びくびくしながら着替えようとするが、ロッカーの鍵がない(ちなみに現実世界私は自転車の鍵をなくしたばかりだ)。無理やり扉を引っ張ると簡単に開いた。友達の「おきて、時間だよ」という声(録音したもの。スマホのアラームに設定されていた)によって眠りから目覚めた。

 巨大生物に追われる夢は幼い頃にも見ていたが、イカは初めてであった。また自分の周囲にいるのは大学の友人たちであった。寝ている間は恐ろしかったが、夢から覚めてからは懐かしさを覚えていた。ところで、自転車の鍵はどこに行ったのだろうか

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