チーズケーキ

好かれやすくて、飽きられやすい。自分はまるでアレだ、胃もたれするくらい濃厚なチーズケーキみたいだ。

今年をひとことで表すなら、「孤独」になると思う。4年生になって、友達と授業が被ることが少なくなって、部活にも行かなくなって、毎日就活サイトの求人情報を凝視する日々に耐えきれなくなった私は、心理カウンセリングを受け始めた。カウンセリングルームで私は何回も「孤独」という単語を口にしていた。

友達が少ないわけじゃないし、出会いがないわけじゃない。SNSを見て興味を持ってくれて、同じ学校の話したことがない人と食事をすることも時々ある。でも、友達と楽しい時間を過ごした後、「また遊ぼう」で一気に心が空っぽになる。相手は自分の生活圏内へと帰っていく。バイトへ行く。授業を受ける。恋人と出かけたり、地元の友達を家に呼んだりする。その日常に、再度私が入り込む隙間なんてあるだろうか。もしかしたらもう二度と遊ばないかもしれない。

最近はなぜかナンパされることも増えた。これに関しては怖くて今のところは全拒否しているが、「彼氏、いるので」と自分を守るための嘘をついた瞬間に相手が私に興味を示さなくなるあの瞬間にも、私は小さく絶望する。見た目だけで好きになって、同じくらいすぐに冷めたんだ。

以前付き合っていた人と別れる時、全く私を引き止めようとしなかったショックを忘れることができない。昨年は仲良かったのにもうあまり話さなくなってしまった友達もいる。いろんな記憶を反芻した結果、私は好かれやすいけれど、同じくらい飽きられやすいのだ、と考えるようになった。見た目と名前の印象の良さで、ついつい買ってしまう甘すぎるケーキのようなのだ。

この孤独感をなんとかして無くしたい。消したい。「去るものは追わず」ができるようになりたい。人を大好きになりすぎなのだ、私は。チーズケーキ人間。どうやったら人を胃もたれさせない人になれるのか。２０２２年はもう残すところあと２ヶ月弱。昨年、クリスマスだ、クリぼっちだと周りから聞こえてきていたのがつい最近のよう。怖いくらいに、時の流れは加速していっている。