愛機との思い出、機械と風の匂い
リベルタパフュームさんの店舗にお邪魔してきました。念願のフレグランスフルオーダーです。
都内のお洒落な店舗への初訪問で勇気がいりましたが、いつもの自分をみてもらい、香りの雰囲気が合うかというのも一つの要素かもと思い、普段通りの気構えで行きました。
連休明けの雨模様の日だからか他にお客さんはおらず、じっくりとカウンセリングしていただけました。
会社立ち上げから早い段階でのお客様ですよね、と古株認定していただいたようで嬉しかったです。
店長さんは物腰も柔らかく、今回のオーダー内容とそれに関する仕事内容などに耳を傾け、色々と提案してくださいました。
機体と風ではイメージの方向性が違うので、どちらを優先するか考えます。
まずは機体イメージを優先し、機械の硬質さ、匂い、エンジンの熱に合いそうなベースやトッピングをピックアップしていきます。
この時点でかなりの数の香りをムエットで嗅ぎました。
申込フォームに苦手な香りや好きな香りを記入しておいたのと、会話の中で他ブランドの香水で好きなものはなにか等お答えしたので、そこに合うものを考慮していただいたようです。
ベースはドライオリエンタル、フゼアアロマティック、レイン(雨女なので)に、トッピングはアガーウッド、バチュリ、ベチバーに決めました。
店長さんおすすめのアガーウッドはスモーキーさがラフロイグみたいで気に入りました。
パチュリは特に好きなので最初から入れるつもりでした。
面白かったのがベチバーで「真冬に出場したときの場外ヘリポート(枯草っぽい)の匂いがする」。
この発言には店長さんも笑っていました。
今回はスタンダードコースでしたのでサンプル製作は5回までです。プラスコースだと10回までできるようです。
①
三種類のベースの割合を決めます。ドライオリエンタル>フゼアアロマティック>レイン(6~8月限定らしい、7月に行ってよかった!)。
②
①のドライオリエンタルを一割減らし、その分をアガーウッド>ベチバー>パチュリで埋めます。
この時点ですごく好みの香りが出来てしまったので、それをいじるのはやめて、残り三つ分は風イメージのほうで考えてみようということになりました。
ありがたいことに、フルボトル+ミニボトルの組み合わせで購入できるからです。
②が冬の出場っぽく感じたので、③以降は夏っぽい風をイメージします。
気温と湿気をアップするべく、ベースとトッピングを変えてみることに。
ドライレモン、ジュニパーベリー、ジンジャー、ブラックペッパーを試しました。
煙いとか土っぽいものばかりのチョイスに暖かみ与えたらと、南方フローラルもおすすめされ、オスマサス、イランイラン、チュベローズを試しました。
オスマンサスは苦手、イランイランは南国すぎて今回のイメージには合いませんでした。
妖艶美人さんしか纏えない代表と思っていたチュベローズが意外で、わりとあっさり青っぽい爽やかな感じに思えて気に入ったので、少し入れてもらいました。
③
ウォームウッディ>レイン>ドライレモン+アガーウッド>ベチバー>チュベローズ。
ドライレモンが効いている爽やかだけど苦みもあるような香りに。夏っぽくてこれはこれで商品になってもいいくらい良い香り。真夏の夕立のよう。
④
ドライレモンをジュニパーベリーに変更し、レインベースを少し増加。
少しシャープな感じと落ち着きで、どちらかというとこちらのほうが風っぽい印象。
河川敷の訓練場に行ってギラギラ直射日光とヘリのダウンウォッシュを浴びながら汗だくになったのを思い出しました。
⑤
ウォームウッディとレインの割合を逆転し、その他は同じ。レインが半分を占めます。
よくよく考えてみたら、つい先日リリースされた雨女御用達レインブロッサムを購入したばかりで、雨要素はそちらで楽しめますねという結論に。
甲乙つけがたかったのですが、③と④で悩み、④に決定しました。
②「愛機と冬の山林出場」をフルボトル、④「愛機と夏の河川敷訓練」をミニボトルに詰めてもらい、帰宅しました。
頂いた香料資料(HPにも公開されている)からわかる要素を列記すると。
②は重すぎず軽すぎず、甘くないユニセックス~メンズかも。
ドライオリエンタルベース(シダーウッド/カルダモン/レザー/シベット)、フゼアアロマティックベース(ベルガモット/ラベンダー/オークモス)、レインベース(不明)、アガーウッド、ベチバー、パチュリ。かなり長くアガーウッドの香りが肌に残っていました。
④も甘くない軽めなウッドで②よりライトな感じ。1%しか入っていないチュベローズが良い仕事をしていて、一瞬千畳敷カールのお花畑が見えます。風になびく草原から最後はウッドに落ち着きました。
ウォームウッディベース(シダーウッド/ラベンダー/パチュリ/ムスク)、レインベース(不明)、ジュニパーベリー、アガーウッド、ベチバー、チュベローズ。
いずれも、質の良い香料を使っているんだなとわかるクオリティで、トッピングの種類によって価格は跳ね上がったりしますが、満足度は高いと思います。
今回はイメージがある程度決まっていたので要素のチョイスはわりとスムーズにいきました。それでも配合を考える時間、サンプルを嗅ぎ比べて悩む時間を入れるとあっという間でした。
方向性や使いたい香料をしっかり決めて挑むのも良いし、固定観念を壊すために調香師さんに一から提案していただきながら決めるのも楽しいかもしれません。
それにしても、色んなベースやトッピングを足しても馴染むというか、違和感なくまとまるのがすごいと思いました。
ベース自体が色んな要素の組み合わせで素敵な香りだからでしょうね。
娘にベチバーの「現場の匂いがする」や機体のイメージなんだと話したら「マニアックすぎるw」と笑っていました。
でも実際香りを嗅いだらその良さに驚くと思います。
期間限定のベースやトッピングが次々に登場しますし、季節ごとの好みの香りを作ったりするのも楽しそうです。
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