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金剛蔵王大権現さまと結縁が叶いました

10/10 奈良県 金峯山寺の千人結縁灌頂会に初参加してきました。何年も前からお会いするのを切望していた蔵王権現様の元へ行けるとあって、ずっとそわそわして過ごしていました。
当日の早朝、こちらではまだ前日からの雨が残っていました。
私は強力な雨女なので、出かけると必ずと言って良いほど雨が降ります。奈良の天気予報は「曇りのち晴れ・晴れ」予定でしたが、しぶしぶ折畳傘を持って出発しました。その後も滋賀通過時、レンタカーで橿原市を走行中、雨が降りました。
吉野山の下千本駐車場に着いたら、べったりと黒い雲が頭上を覆い、辺りは薄暗く、寂しい空気が漂っていました。案の定ポツポツと顔に水滴が。

坂道を15~20分くらい登っていくと国宝の仁王門に着きますが、修復中のためシートを被っていて見ることができませんでした(修復費用の寄付受付中)。
雨がパラパラ降る中、昼食をとることにしました。
金峯山寺に一番近い「やっこ」さんというお店で、地域の食べ物が色々あるセットメニューにしました。故郷の味にも通ずる関西の味が懐かしくて癒されました。小うどん(青葱、とろろ昆布、かまぼこ入り)、山菜小鉢、お稲荷さん(お揚げが三角であっさり味に中が白飯)、柿の葉寿司(鯖、鮭)、本場の葛餅黄粉がけ。
店内は外国人のお客さんも多く賑わっていました。結縁灌頂会の参加者かなと思われる団体様もいました。

食事を終えて境内に入ると空が明るく晴れてきました。日差しが暑いくらいです。蔵王堂の扉は予告通り閉まっていて外からは中が見えませんでした。
周囲には、同じ回の参加者が続々と集まり始めました。お国言葉が九州の高齢のおばあちゃん連れの団体様、上下白のお遍路スタイルのお姉さん、黒い法衣のグループと、皆さんきちんと最多角(いらたか)念珠を腕に巻いてスタンバイです。
私のようなニワカ信者がいて良いものだろうか?と内心ドキドキしつつ待ちました。待ち時間の間に御朱印と、桜のご神木で作られた最多角(いらたか)念珠を購入しました。こちらも登山のお守りにする方がいると聞いたからです。
念珠に気を取られて、クマぶし君(山伏スタイルの小さなクマのぬいぐるみ)を買うのを忘れました。もう一度お参りに来いということかもしれません。

蔵王堂の中、ご本尊はもちろん、一切の儀式の様子も撮影禁止なので、念珠以外の手荷物は全て預けます。
注意事項を聞き、心身のお浄めをしました。寺院の作法は初めてと言っていいほどの初心者ですので、周り人をきょろきょろ見ながらまねる状況でした。
最初に丁子(クローブ)を噛み、ビリビリくる痺れに耐えて体の内側を浄めました。続いて掌に塗香(ずこう)というパウダー状のお香をちょんと塗ってもらい、手で擦って体の外側を浄めました。これがまたウッドとスパイスベースのすごく良い香りで、香水やめて毎日塗香で良いのではと思うほどでした。お香ショップで取り扱いがあるようなので、購入してみるつもりです。

いよいよ開始時刻になると、法螺貝の先導で僧侶のあとについて蔵王堂に向かいました。
国宝・蔵王堂を道場とした儀式の始まりです。密教系の秘密儀式ということで、内容はあまり話してはいけないと色々な方の過去記事で見ましたが、当日は特にそのような注意は受けませんでした。しかし非公開エリアでの秘密儀式なので、他言はしないようにします。
ただ結縁灌頂会で検索すると、密教系他寺院の儀式の様子などの記事が色々出てきます。おおむねそれに近い感じです。
蔵王権現様を讃える歌のような梵唱声明が響き渡る中、三体の蔵王権現様のすぐ足元で見上げたときは、胸に何か迫るものを感じ、何故か涙がぶわっと出ました。とにかく大きく、猛々しいお姿は大迫力でした。仏像なのに忿怒のお顔に牙が生え、片足片腕を上げ、肌は青黒く、ちょっと他にはない力強いお姿です。ずっと心惹かれていた仏様なので、いつまでも拝んでいたかったです。蔵王堂内での儀式は約2時間、なんとも不思議な時間、空間でした。

一旦蔵王堂を出て、次に裏手にある本地堂に移動しました。その際も法螺貝の先導で管長猊下に続きます。本地堂には普段一般人は入れません。今回のような特別な行事の時のみ上がれるようです。
堂内には金色の仏様が三体いらっしゃいました。それは蔵王権現様が姿を現す前の、本来のお姿、釈迦如来様、千手観音菩薩様、弥勒菩薩様です。こちらは皆が良く知る、優しい表情とお姿の仏像です。慈悲深く優しい仏様が、何故あんなに荒々しい蔵王権現様として顕現したのかは金峯山寺のHPを一読いただけたらと思います。

最後に管長猊下の法話を聞き、じーんと心に温かさが染み渡って解散となりました。儀式全体で約二時間半でしたが、半日か一日不思議な空間に漂っていたような充実感と疲労感でした。
金峯山寺をおいとまする際は色々な記念品を頂きました。
特別な時にしか配布されない厄除護符、牛王宝印(ごおうほういん)、金峯修験日雄正統相伝血脈譜(お釈迦様から当代管長猊下までの全ての代が書かれたもの)、白華(蓮の花の形をした栞のような祇、目にするところに置いて、今日のことを思い出す)、結縁五色組紐(ミサンガのように腕につけられるお守り)です。

吉野山を後にして帰宅してからも、毎日のように蔵王権現様のお姿を思い浮かべ、本当に結縁することができたんだと、ありがたい気持ちになります。山に登るときもずっと意識すると思います。その結果、注意深く行動するようになり、山でのトラブルも避けられるのではないかなと思っています。
結縁灌頂会は何度でも参加できるとのことなので、もし数年後にまた開催されることがあれば、ぜひ参加したいと思います。

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