地方で旅館や民宿を経営されている方に知って頂きたい簡単なSEOの仕組み
Googleのアルゴリズムを知り、ブログコンテンツを執筆しよう!
先日、家族で旅館を経営されている方のプロジェクトにボランティアで携わらせて頂く機会がありました。
その際にお父さんがブログでとても良いコンテンツを更新されているのに今のGoogleのアルゴリズムを十分把握されていないせいでせっかくのページが見てらえない状態になっているということに気付きました。
そこで旅館や民宿を経営されている方に向け、簡単なSEOに関する知識を持ってもらえるよう記事を用意しました。
旅館、民宿オーナーが知っておくべきSEO内部対策の基本
検索エンジンがページを発見してから検索結果に表示されるまでの流れ
さて、検索結果にきちんとコンテンツを表示させる方法を知るためにまずは簡単な検索エンジンの仕組みを理解して頂くと良いでしょう。
新規ページを作成してから検索結果に表示されるまでざっくり下記の4つのステップが必要になります。
①新規ページの作成
②クロール:検索エンジンロボット(クローラー)がページを発見
③インデックス:データベースにページを登録
④検索結果に表示
最近のGoogleだと生成AIの誕生や自動的にページが作られる仕組みが増えたことにより、②から③までのステップに進む審査の基準がとても厳しくなりました。
審査に落ちるとクロールされたもののインデックスされない(クロール済みインデックス未登録)状態になってしまいます。
新規ページだけでなく、既存のページもコンテンツの量や質を再審査されており、評価が低いものはインデックスを外されてしまいます。(2024年3月のコアアップデート時のGoogleの発表では世界中にある低品質ページの4割のインデックスを解除したとか…)
そこで1ページあたりのコンテンツ量や独自性を持ったページを作る必要性が高まってきました!
このルールの変更によって、きちんとルールに沿った闘い方をしていれば地方で旅館や民宿を経営しているオーナーも大手ポータルサイトに勝てるようになってきています。
ここから先はルールについて簡単に解説していきます。
キーワード選定をしよう!
キーワード選定はSEOを考える上で最も重要なポイントです。
例えば、「旅館」という単体ワードでSEOをしても上位表示させるのは困難です。
しかし、「〇〇(エリア名)×旅館」であったり、地域の観光名所をターゲットキーワードとして設定すれば競合するサイトは地域サイトに絞られ、勝ち筋があります。
もしかしたら大手ポータルサイトも「エリア×旅館」向けにページを設けてくるかもしれません。しかし彼らよりも地場で頑張っている旅館、民宿の方が情報をたくさんお持ちの分、コンテンツの質も高いものができると思います。コツコツブログ記事を執筆しましょう!
ご自身のエリアで宿泊を検討されている方がどんなキーワードで検索されているかを考えて、ブログ記事を書いてみてください!
基本的な考え方として、①目的への近さ、②検索ボリューム、③上位表示の難易度で優先順位は決まってきます。
①目的までの近さ
上の図にあるようにニーズが顕在化している人の方が目的達成の距離が近くなります。旅館の宿泊客を増やしたい場合は自社の旅館名で調べてくれる人を増やしたり、地域×旅館の一般名詞で検索している人にリーチするようなコンテンツを用意することで宿泊予約を獲得するという目的は達成し易くなりますね。
②検索ボリューム、③キーワードの難易度
②の検索ボリューム(実際にどれくらいの回数、月あたりそのキーワードで検索されているか)、キーワードの難易度を調べるにはGoogleが提供しているキーワードプランナーを使うと便利です。
要は書きたい記事を書いても良いのですが、忙しい合間をぬってブログ記事を書いたり、動画を制作するなら、より目的達成の可能性が高いコンテンツから作った方が良いということですね。
キーワードプランナーについては別途説明する記事を作りますね。
タイトルタグを最適化しよう!
タイトルタグは検索エンジンにページのテーマを伝える最も重要なパートです。
何のページなのかをユーザーにも検索エンジンにも分かるように記載しましょう。検索結果に表示される枠の関係でタイトルの文字数は全角32文字以内を推奨しています。
ディスクリプション(description) タグを最適化しよう!
ディスクリプションはタイトルとは違い、検索エンジンがページのテーマを知るための手掛かりとはしていません。しかし、検索結果に表示される文字になります。
ユーザーが検索結果に表示されたディスクリプションを読んで、そのページに必要な情報があるかどうかを判断する材料とします。
検索結果に表示された後のクリック率に影響するパートですのできちんとページでどんな情報を提供しているかを説明するようにしましょう!
PCでは120文字前後、スマートフォンが50文字前後が推奨です。
その他にも細かなタグはありますが今回は割愛します。
本文のコンテンツ量を一定数担保する
私が見た旅館のサイトは地元の方が地元の情報やお写真を載せている素敵なブログでした。
しかし、1記事あたりのテキストのボリュームが少なく、検索エンジンにインデックス(検索結果に表示)されていない記事も少なくありませんでした。上記のクロール済みインデックス未登録問題ですね。
ユーザー視点ではとても素敵なお写真と説明なのですが、コンテンツ量が少ないと検索エンジンが評価してくれず、せっかく用意したページが検索結果に表示されなかったり、上位表示されません。
そこで、1記事あたりの文字数を700~1000文字ほど確保し、ユーザーだけでなく検索エンジンにも評価して貰えるようなブログにして頂けると検索エンジンに上位表示され、アクセスや予約に繋がり易くなります。
もし画像が多く、テキスト量が少なくなってしまう場合はALTタグという画像が何を表現しているかを検索エンジンに伝えるタグもあります。
もし一つのエリアに関して1000文字のコンテンツを書くことが難しい場合は複数のエリアをまとめて記事で紹介したり、お客さまの感想を載せたり、地元の人のインタビューを載せるなどして独自性とコンテンツ量を担保しましょう!
※ちなみにこの記事の文字数は約3000文字です。
動画コンテンツはSEOにプラス
テキストコンテンツの他に動画コンテンツもSEO視点、ユーザー体験視点でプラスの影響を及ぼします。ユーザーもページに滞在してくれる時間が増え、検索エンジンの評価も上がります
地域の観光名所に関する動画を撮影してYouTubeに載せたものを、ブログに載せることで独自の情報を充実させたり、ユーザーの理解を深めることができます。
また最近はGoogleの検索結果も多様化しており、ユーザーが求める情報によっては検索結果に動画が表示されることもあります。
こちらは地域の情報ではありませんが、【越境EC 海外webマーケティング】という言葉で検索したところ、下の図のように私が運営しているマーケティングに関して発信しているYouTubeチャンネルが検索結果に表示されています。
内部リンクを巡らせて検索エンジンにページの存在を知らせよう
自社のサイトのページ内からページ内の別コンテンツへリンクをすることを内部リンクといいます。
内部リンクを考える際は、
①上位のページから下位のページへリンクをすること
②ブログ記事などの下層ページから予約ページなどの最終的に達成して欲しい目的のページやTopページへリンクすることが重要です。
Topページから下層ブログにリンクする
TopページはSEO視点でいうと最もパワーが集まり易く、ここに貯まっているSEOのパワーを下層に渡すことで下層ページの評価を上げることができます。
Topページ下部に人気ブログ5選といったようなリンクを入れてブログページに内部リンクをして頂けると下層のブログコンテンツが上位表示される可能性を高めることできます。
ブログ記事から予約ページやTopページ内部リンクをする
ブログで情報を提供して終わりではありません。観光スポットを紹介した後、「こんな観光スポットのお近くで宿泊するなら〇〇旅館がおすすめ」といった訴求で旅館の存在を伝え、宿泊予約に繋げましょう。
この内部リンクは検索エンジン対策としてもユーザーの回遊性(サイトの他のページが見てくれる可能性)を高めるのにも役立ちます。
上記のことを理解してブログ記事を執筆して頂けると検索エンジンにとってもこれからあなたの旅館に来訪する方にとっても有益な情報と感じて貰え、アクセス向上に繋がります。
番外編 GA4とGoogle Search consoleを登録しよう!
どういったCMS(コンテンツ管理するシステム)によって登録できるかどうか変わりますが、できることならGA4とGoogle search console(サチコ)を登録しましょう!
GA4はユーザーがサイトをどのように回遊しているかだったり、どういったチャネルから流入が獲得できているかを把握するためのツールです。
Google search consoleは下の図のようなイメージでどのページがどのキーワードで表示されているかを把握することもできます。
記事を書いた後にどのくらい変化があったのかを1週間ごとに見て頂けると小さな変化に気付くことができて面白いかもしれません。
今回、ご紹介させて頂いたSEOの基本を知って頂き、ブログをコツコツ更新するだけでも成果が大きく変わります。今は独自の情報を持っている人こそ検索エンジンに評価される時代です。
「強い会社は時間を武器にします。」今の検索エンジンのルールを知り、コツコツ時間をかけて取り組んでいる方が実を結んだら良いなと願っています!
地方の旅館や民宿のマーケティングでお困りの方は大崎さんの記事も見てみてください!