132 kgから80 kgまで痩せた話

はじめに

 はじめまして。

 “ゆきたま”と申します。今回参加させていただいています、アドベントカレンダーの主催をしている”うじを”の実の弟になります。 謎解き等でご一緒させていただいたことがある方はお久しぶりでございます。
 
 兄貴が数年前から何やら面白そうなことをしていると思っていたのですが、ついに参加することとなりました。
 何を書くかいろいろと思案したのですが、私の体重遍歴について書くのが面白いかと思い、今回はダイエットをテーマにすることにしました。
 私は大学浪人時代に体重が130kgを超えていまして、現在は2回のダイエットを行いそこから50kg落ちた80kgになりました。今回はその遍歴と、ダイエットの方法、最後に今振り返ってどう思うのか、について書いていきたいと思います。
 先に断っておきますが、ダイエットのベースについてはカロリーを計算して必要な分までにとどめる事という非常に簡素なものになっていますので、簡単・劇的なダイエット方法をお探しの方はお引き取りください。また、医学的知識を持つ人間ではないため、誤っている可能性があります。

体重遍歴

 それではまず、体重遍歴について書いていきます。
 親曰く、生まれた時は平均体重程度だったようです。私が物心ついた時点では身長は平均より高く、体重も少し多めでした。小学校に入学したころから身長の基準より体重は重く、身体測定の際に出てくる判定(おそらくローレル指数)は常に太りすぎを指していたかと思います。それでも1年生のころから野球をやっていたため、ぽっちゃりしているね、でギリギリ済んでいました。
 暗雲が立ち込めたのは5年生の春、小児喘息を患い今までのように運動が出来なくなってしまいました。完全に野球から離れたわけではありませんが、毎日のように野球に明け暮れていた日々からは生活が変化しました。
 中学に入学し野球から離れたことによりさらに体重は増加、詳細な数字は記憶していませんが、卒業するころには100 kgの大台に乗っていたかと思います。身長は180 cmに届くか程度でした。
 高校に入ると購買で好きなものを買って食べられるようになり、さらに体重が増加、卒業するころには120 kgを超えます。身長は185 cmでした。そして大学受験に失敗し、浪人。予備校に通いながら食のみを楽しみにし、気が付いたら132 kgでした(BMIは38とかだったと思います)。
 ここまで常に太っている状態でしたが、各種健康診断では体重以外は引っかかったことはなく、「健康でいるなら太っていてもいいじゃん」と思っていました(なお、内科に行っても整形外科に行っても皮膚科に行っても「まずはちょっと痩せたほうがいいですね……」から会話が始まってましたが)。しかし、ここで転機が来ます。12月末に献血に行ったところ、γ-GDPの値が基準値を少し超えていると言われました。ご存じの方もいるかもしれませんが肝臓が悪くなると高くなる値です。齢19にして肝臓にダメージが入っているという事実を突きつけられました。検査結果を持ってきた方が、「19歳ですよね……失礼ですがお酒とかは……」と聞いてきたのは忘れられません。もちろん飲んでいないため、脂肪肝の前兆とのことでした。献血不可となりながら、コミケの献血ポスターだけ手渡していただき申し訳なさと恥ずかしさで消え入りたかったことを覚えています。
 あまりにもショックですぐに家族に連絡し、ダイエットを始めることを伝えました。第1期減量の開幕です。ラーメンをやめ、ファミチキを断ちました。毎日おかわりしていたごはんも1杯にし、嫌いな野菜で腹を満たす毎日でした。運動はしていません。体重はみるみる落ちていき、受験が終わるころには100 kg程度にまで減っていました。急激に減りすぎました。滑り止めだと思って受けた大学に軒並み落ちた事でやつれていったわけではありません。当時のチューターさんごめんなさい。心配をかけました。
 いろいろありましたが無事受験にもダイエットにも成功したので、意識した減量は終了。それでも徐々に減っていき、97 kg程度で落ち着きました(それでも計算するとわかるかと思いますがBMIは25を超えており、軽度肥満です)。
 健康診断でも「”もう少し”痩せなきゃねー」などと言われていましたが、とくに気にせず毎日を過ごしていました。しかしながら、研究室に所属したとたんに生活が乱れ始め、100 kg程度まで増量します。それでも気にせず過ごしていましたが、さらに食生活が変化する出来事がおきます。新型感染症の流行です。これにより昼食がすべて弁当となり、学生街の定食屋は低価格かつハイカロリーな唐揚げ弁当をこぞって出すようになりました。
 体形の変化には気が付いていましたが、まぁ105 kgを超えたぐらいかなぁと思いながら、2年ぶりの健康診断にいき、体重計に乗ると、113.6 kgでした。ショックでした。さらに追い打ちをかけるように連日流れる感染症のニュースでは、BMIが高い人の重症化リスクが高いことが声高に叫ばれていました。そしてその年は博士課程最終年予定、重症化しようものなら卒業延期が確定します。就活も初めからです。そうなるわけにはいきません、第2回減量の開幕です。
 第1回と同様食事制限を基本として減量することにしました。お昼もカロリーを500 kcal程度に抑え、大好きなチョコレートを制限しました。唐揚げとはおさらばです。
 2ヵ月後には-9.4 kg、 4ヵ月後には-15.9 kg、半年後には-22.6 kg、8ヵ月後には-26.0 kgの減量に成功しました。その後も徐々に体重が落ち、14ヵ月後に80 kgとなりました。そこから約半年ほどたちますが、体重の維持に成功しています。
 長くなりましたが、以上が体重の変遷になります。80 kgというと中学時代くらいの数値でしょうか。大分痩せました。

ダイエット方法

 続いてダイエットの方法についてです
 根性論で申し訳ないのですが、「なにがなんでも減量する」という気持ちを維持できるかで痩せられるかは決まると思います。ただ、ここまで引っ張ってこれで終わりなのはどうかと思うので、自分が痩せた方法について書きます。
 上述していますが、基本的にはカロリーを抑えて体重を減らしています。まずは運動をメインに絡めなかった理由についてお話しします。
 体重が平均に近い人や少しだけ多い人がダイエットをする場合、運動と食事双方から取り組んだ方がいいと思います。しかしながら、私はほとんど食事制限のみで体重を落としました。それには大きく3つの理由があります。なお、ここからは自論であるため、誤りがある可能性があります。

 1. 体重が多すぎる場合、運動による身体へのダメージが大きすぎる。 
 2. もともと摂取カロリーが膨大なため平均的な摂取カロリーにするだけで減量が見込める。
 3. 体重が多すぎる場合、運動がつらすぎて続かない。

 1.の理由が大きいです。特に自重トレーニングと呼ばれる筋トレ(腕立て伏せ、スクワット)やジョギングは体重が重ければ重いほど負荷がかかります。もともと運動をしているマッチョマンは別にして、急に運動すると膝、腰をはじめとする節々が終わります。ある程度痩せるまで避けたほうがいいと思います。
 2.についてはそのままで、体重が重たい人はその分消費カロリーが多いはずですが、それでも体重を維持できているので、摂取カロリーもかなり多いはずです。つまり、下げしろが多いので、必要な栄養素を摂取しながらカロリーを下げやすいです。
 3.は正直個人によるかとは思いますが、つらいことは続けにくいのと、運動による減量は即効性に欠けるので心が折れます。

 また、体重測定は1週間に1度、決まった日時に行うようにしていました。毎日体重計に乗りましょう!と推奨されることも多いですが、体重は水分の量などで容易に増減するので、毎日体重計に乗ると増えてた時に心が折れます。はじめは1週間から2週間おきに量るぐらいでいいと思います。減量初期は1か月ほど体重計に乗りませんでした。(本当は毎日量りつつ移動平均を出す方がいいのかもしれませんが、面倒なのでやりませんでした)
 食事メインにするのも、体重計に頻繁に乗りすぎないのも心を折らないためです。続けられれば大体痩せられるとおもいます。
 ついついおやつに手が伸びる人はお菓子の買い置きをなくしましょう。意思の強さになんて頼ってはいけません。無理です。物理的に隔離しましょう。買いに行ってまで食べたくなったらその日だけは許しましょう。
 最後のほうは腹筋と腕立て伏せをしてたりもしました。人生で初めて腕立て伏せできました。容易に続けられるレベルでは体重の増減にはあんまり影響なかったので、ボディメイク用かなと思います。
 あと、ツイッターで2ヵ月ごとに体重の減量幅をツイートしてました(記録が残っているのはそのためです)。めちゃくちゃふぁぼってもらえたのでモチベの維持につながりました。ありがとうございました。

 さて、肝心の食事について説明します。が、新しさはありません。
 基本的に体重(内部カロリー)の増減はざっくり

 摂取カロリー×吸収効率-消費カロリー

 で決まります(多分)。さらに消費カロリーは基礎代謝とその他の消費カロリーに分けられます。 つまり、基礎代謝+α程度に摂取カロリーを抑えれば自動的に痩せられるという訳ですね。
 では、基礎代謝は一体いくらなんだという話ですが、残念ですが実際に測ることはできません。学術論文では測っているようなものもあったので、色々やれば測れるのかもしれませんが、一般人が簡単に測ることは多分無理です。なので、適当な算出式や体重計等で出た値を参考値とします。まずはその参考値からおおよその摂取カロリーを決定し、増減幅を見ながら適宜調整をかける方法を取ります。
 そして、カロリーの取り方ですがざっくり、タンパク質、脂質、炭水化物のバランスを意識しつつ摂っていきます。これも概ねの目安を決めて、体調などを勘案しながら調整します。目安はタンパク質を体重(kg)の1.5倍~2倍(g)、炭水化物を総摂取カロリーの半分、脂質は残った分ぐらいでいいかなと思います。総摂取カロリーさえズレなければ多少はずれてもスルーしましょう。続けることが一番大切です。

減量期にお世話になった食べ物(ダイマ)

 マイサイズ・マンナンごはん: 150 kcalのご飯、カロリー計算も容易でおススメです。ダイエット関係のYouTubeでこぞって取り上げられていたため偏見の目で見てましたが実際に痩せたので手のひらくるくるしてます。
 マイサイズシリーズ: 100 kcalでおいしく食べられるカレーやチーズリゾット、その他もろもろがあります、種類がたくさんあり好みに応じて選べ、上記ごはんと合わせて250 kcalにできるのがとても良い感じです。今でも朝ご飯に食べています。
 SAVASミルクプロテイン(パック): 100 kcal程度で15 gのタンパク質を取れるのでよく飲んでいました。粉のプロテインのほうが経済的ですが、いかに楽するかを中心に考えていたのでこちらを採用していました。これも今でも毎朝飲んでいます。
 ニチレイむねから: とりむね肉の冷凍から揚げです。100 gあたり157 kcalでタンパク質が16.5 gです。かなり優秀です。肉食べてる感があって個人的にはおいしいと思います。これも毎朝食べてます。
 綾鷹・特選茶: トクホで血糖値の上昇をゆるやかにするお茶です。味が綾鷹本体とほとんど変わらなかったため飲んでいました。効果のほどは全く分かりませんが、「ダイエットしている感」をより強くし、ダイエットの継続に一役買っていたかなと思います。これはもう飲んでないです。

ダイエットを振り返って

 大体ダイエット系の文章を見ると、「痩せたら良いことしかなかった!!」みたいな内容がほとんどですが、別にそんなことないなと思うところです。
 もちろん、服が簡単に手に入る、階段の昇り降りが楽、椅子の耐荷重を気にしなくて済む、サル梯子を使えるなどいいことは多いですが、少なくとも私は人生変わるほどではありませんでした。一番良かったことは酒の場で滑らないネタができたことです。
 痩せて気が付いたことは、常に周囲から色々な目で見られていたんだなといことですね。電車など人が多いところでは視線の違いを感じます。
 ダイエットに成功している最中は、"何をやってもうまくいかない無力感"からは開放されるので、博士論文執筆がつらくても何とかなったという利点はありました。
 デメリットについては、まず食べられる・呑める許容量が減りました。旅行に行って食べたいものをすべて食べられなくなったり、いつもの勢いでお酒を飲んだら次の日動けなくなったりしました。
 わかりやすい掴みのネタが減ったのもデメリットでした。体形について、昔は色々な葛藤がありましたが、最終的にはネタにできていました。そのネタを使えなくなるのは結構困りました。
 また、ほとんど覚えてもらえるというメリットも失い、新規コミュニケーションの観点では結構苦労しています(行きつけの飲み屋で気が付かれないとかもありました)。
 服についても、ダイエット中は常に新しい服に替え続ける必要があるので、金銭的な負担は大きいです。今も冬服が1枚も着られずに新しい服を買ってます。ユニクロ様様です。
 あと、寒さについてはかなり弱くなりました。高校時代に冬でも半袖で、裏ではキャラ作り説がささやかれていましたが、実際に寒くありませんでした。今は秋口から寒さを感じています。
 
 色々言いましたが個人的にはメリットが上回ったと思っています。健康診断で人生初めてA判定が出たのも嬉しかったですし。元の体形に戻りたいとは思いません。
 
 人生においては、"痩せなきゃと思ってはいるけれども行動に出せない"時期が一番しんどかったです。本気で"痩せよう"と思うまでは気にしない方がいいなと思いました。"痩せなきゃなぁ……"くらいだとダイエットしても続かなくてよりへこむだけなので。本気になるトリガーは人にもよりますので、点いた火を絶やさないように頑張りましょう。

おわりに

 最後まで読んでいただきありがとうございます!!長々書いていましたが、博士論文執筆中の出来事だったので、「あなたもできる!!博士論文を書くだけ!!!かんたんダイエット!!(適切な食事と運動を含みます)」とかにすればセンセーショナルな書き物にできたような気がしています()。失敗しました。流行ったら博士進学者も増えたかもしれないのに。。。
 それではまた、機会があればよろしくお願いします。

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