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オーケストラのティンパニ

"第二の指揮者"とも呼ばれるティンパニ。

吹奏楽やマーチングでは打楽器パートがティンパニ以外にもたくさんいますが、オーケストラでは打楽器がティンパニ1人だけという曲もしばしばあります。
オーケストラの中で一番大きな音が出る楽器なので、自分自身の音がオーケストラに与える影響のあまりの大きさに初めはかなり戸惑っていました。

オーケストラとは不思議なもので、演奏する度にテンポも違えば音量も違うし歌い方まで微妙に変わってきます。
オーケストラ全体が今どのような音楽をしようとしているのか、指揮者はどこにオーケストラを向かわせようとしているのか、常にアンテナを張り巡らせないといけません。
ティンパニは時には周りに合わせ、時には自ら全体を引っ張っていくことでオーケストラの核となっていきます。

自分はどちらかというと周りを引っ張るというよりも、自分の意思と関係なしに周りの意思を取り持つ方が好きだったのでどうしても周りに波風を立てないように演奏する癖があります。
でもそれだと本来のティンパニ奏者としての役割は果たすことができず、周りの奏者もどこに合わせたら良いのか方向性を見失ってしまうことになるなぁとようやく理解し始めたところです。

そんな中、次の演奏会ではベートーヴェン交響曲第3番「英雄」のティンパニを演奏させて頂くこととなりました。
ベートーヴェンの音楽は常に高い精神性が求められ、一瞬たりとも気を抜くことが出来ません。
ティンパニの楽譜も音数が多く、主音と属音のたった2音しか使わないにも関わらず幅広い表現力を求められます。
今回でベートーヴェンのティンパニを演奏するのは5番、7番、9番に続いて4曲目。
これまでの3曲は学生時代に演奏したので、社会人になってからベートーヴェンを演奏するのは初めてです。

学生時代とは違って楽器に触れられる時間も非常に限られているので、より楽譜を読み込んで曲の理解に励んでいます。
会社員になったからなのか、最近はオーケストラを会社みたいだなと感じることがしばしばあります笑
指揮者は社長で、コンマスは副社長、ティンパニは総務部長?といったところでしょうか笑
全く違う考え方を持った人達が集まって一つの事業に取り組むのは、オーケストラが音楽を作り上げていく様子になんとなく重なって見えるようになってきました。
特にアマチュアオーケストラは職業も年齢もより多様化しているので、よりそう見えるのかもしれません。

そして、いよいよ本番が次の日曜日となりました。
また学生時代と考え方が変化した自分自身がどんな本番をみんなと迎えるのか、楽しみにしています☺︎

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