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ありがとう!わたしがいま、ここに在ることに! 〜 "Allelujah" by Fairground Attraction 〜

1988年のメジャーデビューから、わずか3年ほどで解散した英国のアコースティックバンド Fairground Attraction。30年超ぶりに再結成して、来日公演も実現したと知り、改めて、当時のアルバム "The first of a million kisses" を聴いた。バンド名が•アルバムタイトルが•詞のフレーズが、縦横にタペストリーのように絡みあう、ここにひとつに完結した世界観… 当時、たった一枚で終わることになったこのアルバム、いやもう、これがその全て… 改めてそう納得させられる。

そして、ひとつの発見があった。私自身の受け止め方、認識の変化について。"Allelujah" という、やわらかくて素朴な三拍子の曲、大好きだけれど、最後のフレーズが、当時の私にはどうしても腑に落ちなかった。"Let's cut the strings tonight" …いや、わかる、言いたいことはわかる、けれど、糸を切ってしまったら、どこへ飛んでいくかまるで分からない。もしも風が止んだら、あるいはコントロールを失ったら、どこか知らない場所へ、真っ逆さまに落下してしまうかもしれない… その頃の私の心象風景には、天高くどこまでも自由に飛んでゆく凧よりもむしろ、不時着し無惨に墜落して骨が折れた、傷ついた凧のイメージが強くつきまとった。

以下に記した【超•ゆき訳】のなかで、私はかなり悩んで、結局 "神" を意味するような宗教的ニュアンスを含む言葉を使わなかった。"Allelujah"  は、「ありがとう!」でなくても、「やった!」でも「すごい!」でも「最高!」でも「素敵!」でもなんでもいい。ただ、自分がいまここに存在することの "有り難さ" への感動を、自らを超えた(そしてそれは同時に自分自身でもある)遠くへと高くへと放つ、そんな "Allelujah" ではないかと思う。

自分で糸を切り、吹く風を信じてラクに身を任せる… そしてその風を起こすのも、ほんとうは自分自身かもしれない… 30余年前に聴いたこのラブソングをいま受け止める自分自身の変化に、私は驚きとともに感謝し、私なりの "Allelujah" を心の奥から放つ。

ありがとう!わたしがいま、ここに在ることに! 〜 "Allelujah" (by Fairground Attraction, 1988) 〜

自動車の灯りが 西通りをゆき過ぎる
たくさんの車が 家路を急いで

アイスクリーム売りの軽トラも 呼び鈴を店じまいして
冬は もうそう遠くない 

あなたには 毎日会える
見つめてる あなたが通りをゆく姿を
いつもすれ違うのは この団地の階段のあたり
でも勇気がなくて かける言葉がわからない  

けれど あなたの笑顔は祈り 愛を求めて
あなたの心は凧のように 飛んでいきたいと願ってる
ありがとう! わたしがいま、ここに在ることに!
繋ぎとめる糸は もう切ってしまわない?

あの曲がり角で 今夜8時に待ち合わせて
この場所から 抜け出して
きっと初めてのキスをして それがふたりの始まりになる
過去はいつしか はがれ落ちてく 

だから あなたの笑顔は祈り 愛を求めて
あなたの心は凧のように 飛んでいきたいと願ってる
ありがとう! わたしがいま、ここに在ることに!
繋ぎとめる糸は もう切ってしまわない?

きっと初めてのキスをして それがふたりの始まりになる


以上、【超•ゆき訳】でした。Allelujah!

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