久々の演劇音響 その裏側
2020年8月29-30日
コロナの影響で演劇の公演もまともに行えるような状況でなかった中、
そんな状況だからこそ、どうにか演劇公演を打ちたい!
お客様たちに喜んでもらいたい!
工夫を凝らして行ったのが劇団羅針盤による第51回公演「SCENE(しーーーん)」
当初ギリギリまで公演打てるかわからず、
「できるかな公演」と称して少しずつ宣伝。
できたとしても、万が一クラスターになったらどうしよう。
そんな不安とも戦いながら、策を練り、稽古を進めました。
留学前からお世話になっていた劇団の公演、私に何かできることはないか、
そう思い音響として参加させていただくことになりました!
飛沫感染を防ぐため直接台詞を話すことは避けよう、
ではどうやって台詞を伝える?
スライドショーで台詞ぽんぽん出してみては?
いたるところに台詞書いてある小道具置いて利用してみては?
台詞の代わりに小道具で音鳴らしてみては?
台詞録音して流してみては?
出るは出るはいろんなアイデア!
台詞吹き出しに効果音つけてみたり、
特定の台詞に使う小道具・動きに効果音つけてみたり、
台詞録音したものを整音・尺合わせをしたりしました。
効果音もなるべくオリジナルにしてみたい。
(以前までよくフリー効果音サイトを利用してました)
そう思い、過去に自分が録り貯めていた音源を利用したり、新たに録音したりして作り進めてみました!
例えば・・・
●クラーケンの触手音:
ゆでたうどんをぐしゃぐしゃする音(卒業制作で利用した音を再利用)
モノ音源を2つずらして合体させ、ステレオ風にしてみました。
●泳ぐ時の水の音:
バケツに貯めた水を手でバシャッとした音をEQかけて水中風に加工
●ロボット/AI風の声:
自分の声を録音して、Dehumanizerで加工
●決定音・吹き出し音:
プラグイン(Kontaktなど)を利用して出した音を複数組み合わせて加工
などなど・・・
そして、
タイトルのSCENE(しーーーん)を何か活かせないか、
こんな時だからこそ一致団結して何かできないか、
舞台上のキャストだけでなく、劇団員全員の声を利用できないか、
そしてできたのが場面転換時の効果音「らしーーーんばん」
劇団名にタイトルの「しーーーん」が入ってるの、気づくまでに時間かかっちゃいましたが(笑)
劇団員に協力してもらい、それぞれ何パターンか「らしーーーんばん」を録音。
それらを合わせてリバーブ少しかけ音量調整。
実は左右のスピーカーで聞こえる声が「ら」と「ばん」で入れ変わってるようにパン編集してみました:)
2箇所使用しましたが、2回目の「ばん」には金属パイプをヒットする音も混ぜこんでました。
ちなみに音響オペレートする際、今回QlabとMIDIキーボードを利用しました。
出す音の順番やMIDIキーボードへの割り振りなどをQlabにて設定、割り振った音をキー押すと鳴るようにして、役者の動きや台詞タイミングに合わせてポンだし。
音楽も同じQlab内で順番調整して出していました。
音の出し方で、Ableton Liveを利用するなど他にもいろいろ方法ありますが、機会あればQlab以外の方法も試してみたいところですね:)
なんとか無事本番を迎え、人数制限ある中多くのお客様と久しぶりにお会いでき、あの場にいれたことを本当に感謝しています!
貴重な機会をいただき、ご縁に感謝!
(最近更新滞ってますが)今後も色々と情報発信していきます!
どうぞよろしくお願いします!
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