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どの手帳をどう使うかを考えていた

 今年に入ってから「私の手帳の使い方はこれでいいのだろうか?」と疑問に思う機会が増えた。

 その前にさっと、私の利用していた手帳の歴史をご紹介したい。

・高校生時代まで
 スケジュール帳といったたぐいのものは使っていなかった。
 忘れてはいけないことは、メモ帳に書くぐらいの程度。
 無印良品などのものを試しに買って使用したことがあったが、全然使いこなせなかった。
 今思うと、これでよく大学に入学できたものである。

・大学生時代(その1)
 おそらくB6サイズの、マンスリーに加えて、レフト型(左側に一週間の日にちがあり、予定が横に書けるページが、右側はフリーページとなっているもの)でクリアカバー付きのミッフィーちゃんの無線綴じ手帳を使用していた。
 なぜミッフィーちゃんだったかというと、お店に並んでいたキャラクター手帳の中で、一番自分にとって「しっくり」くるレイアウトと大きさと巻末ページになっていたからであった。後は、自分がミッフィーちゃんが好きだったことも影響している。


 この手帳、今でも忘れられないぐらいの個性があった。それは、ミッフィーちゃんたちのイラストが「自由奔放」に印刷されていることだった。時には、神経質な人なら到底がまんできないであろう、ページの中心などに大きくイラストが配置されている場合があった。私はそれも含めて、その手帳が気に入っていた。
 もしも、来年から違う手帳を使ってください、といわれたならば、私はこの手帳にするだろう。
 今も販売されているのだろうか。また、のびのびとしたレイアウトは健在だろうか。

・大学生時代(その2)
 書きたいメモが増えた上に、もともと字が大きめの私にとって、次に選んだのは、かの有名な『ほぼ日手帳オリジナル』だった。
 学年が上がるにつれて、予定も課題も、またそれに関するメモも増えていく一方だった当時の私にとって、文字が大きい人でものびのびと書ける「1日1ページ型」の手帳は救世主のような存在だった。


 最初に『ほぼ日手帳』のお値段を見た時「高い!」と正直思った。
 だがその気持ちをこらえて買ってみると、その良さが分かった。
 たくさん使い古しても、ボロボロになったとしても、よほどのことが起きなければ「壊れない」のだ。それもカバーだけでなく本体も。
 余談だが、別の会社から発売されていた1日1ページ型の手帳を、身内が試しに使っていた年があったのだが、それは、本体価格の割に、色々となにかを貼り付けたりしていくうちにヨレヨレになっていった。紙質は悪くなかったのだが……、値段を考えると、ちょっとボッタクリな気がした。
 その光景を目の当たりにしたこともあり、私は『ほぼ日手帳』の立派な一ユーザーとなった。


 人によっては、ページの下にある言葉がいらない、邪魔、というご意見があるらしいが、ミッフィーちゃん手帳時代に鍛えられた「ゴーイングマイウェー」精神で、特に気にならなかった。むしろ、書くことがない日にも、読み物になっていいじゃない、と思っている。

・社会人生活
 大学生時代から変わらず『ほぼ日手帳』を使っている。
 変化したことは、文庫本サイズのオリジナルの他に、縦長スリムのレフト型ウィークリーも一緒に愛用している点だ。


 正確にいうと、大学3年次から使い分けをするようになった。就職活動やインターンシップで持ち歩くのに、オリジナルはかさばるからという理由でだ。
 大学4年次ではこれらに加え、卒業論文と単位認定要件を満たすためのチェックやメモに、A5サイズのカズンも使った。さすがにちょっと持て余してしまった感じはある。しかし、同じブランドのすべての種類の手帳を使う機会はそうそうないから、今となっては、いい思い出だ。
 (これを書く前にカズンを振り返ったら、意外なことも記録してあり、手帳って下手に捨てられないなぁ、と感心したものである)


 オリジナルは思い出記録用に、ウィークリーは仕事・病院の予定を書き込む用に使い分けている。
 このような使い方だと、オリジナルに関しては、何にもない日が続くと「もったいないのかなぁ」と思うことがある。これは正直に言おう。
 だが、こうまでしないと、気持ちの切り替えが苦手な人間としては、嫌でも心が切り替えられるという利点もある。
 思い出は、とっておきたいものもあれば、あまり残したくないものもある。
 でも手帳である以上、忘れないようにメモをする、という役割がある。
 それらの立ち位置を分けて使うことで、思い出用は取っておいて、予定のメモ用は年の終わりに処分をして、少しでも忘れる、気持ちを引きずらない、という行為ができる。

・そして今年……
 上のような使い方を何年かして、まずは飽きがきた。
 それだけならいいのだが、私の場合、オリジナルに関しては、年々メモや思い出日記が雑になってしまっていた。
 その様子を見て「来年の手帳は、別のものを使ってみた方がいいんだろうか。他のユーザーさんみたいに、気合の入ったメモができていないし」と悩むようになっていった。

 そんな悩みを心の片隅に置いて、毎年のように参加している東急ハンズメッセで、私は少しだけ大きな決断をした。
 システム手帳を使ってみることにしたのだ。
 ブランドは『フランクリン・プランナー』である。


 これの存在は、実は東急ハンズメッセの前から知っていた。
 この手帳の大きなテーマは「時間は皆平等だからこそ、自分は何に価値を置き、どのように行動するのか」という思想を、手帳のページで実行していくことだろうか。
 最初にその存在を知った時「いわゆるセミナー系の手帳なのかな」と感じた(人によってはそう思う方もいるらしく、検索ワードの中に「フランクリン・プランナー 宗教」という言葉が出てくることがある)
 私には縁のない種類の手帳だな、と思いつつも手に取ったのは、店頭限定で販売されていた、1日2ページ型のリフィルと、スタートセットとバインダーがセットになった、5500円のお得セットにつられたからであった。ちなみにバインダーは、プラスチック製のもので、それに合成革製のカバーがつけられているものだった。もしこの記事を読んで、ちょっと購入してみようかな、と思われた方の参考になればと思う。なにかと本革製が多いシステム手帳のバインダーで、そうでないのは、それだけでも敷居が低くなるからだ。

 家で開封して、だいたいルール通り、一部自分の使い勝手の良いようにレイアウトをして、バインダーをセットした。
 そして、フランクリン・プランナーの概要を読む。
 確かにフォーマットにそって何かを決めていくのは「できるビジネスマン」っぽいかな、とは感じた。
 しかし、1日2ページ部分のレイアウトは、ある意味では、ほぼ日手帳に似ていた。それは……「格言」が掲載されているからである。
 人によっては、押しつけがましいと感じる、その要素が、フランクリン・プランナーにもあったのだ。
 そのレイアウトを見た私は「意外といいかもしれないな。この手帳」と思った。言い換えるとするならば、使う手帳を変えようとしても、自分の中で気に入っている部分は、なかなか変わらないということを痛感した、ということだろうか。
 また様々な格言を読むにしたがって、『7つの習慣』を唱えた方自体はハウツーに没頭することなく、むしろドラッガーに考え方が似ているのかもしれないということを感じ取っていった。最初に何かを唱えた方に共感して、それを広めようとする人が、ハウツー化したがるものなのかもしれない。
 話が長くなったが、私は新しい手帳に手を出してよかった、と思ったのだった。

・現在、そしておそらく来年
 別の手帳に試しに手を出したことで、逆に今、自分が使っている手帳の良さと癖、またそこから垣間見える自分の癖に気づくことができた。
 だから、来年は『ほぼ日手帳』のウィークリーと『フランクリン・プランナー』の1日2ページ型リフィルを使うことを決めた。
 そして『ほぼ日手帳』のオリジナルは……。これも、継続してみようと思う。個性豊かな手帳に触れてきたことで、オリジナルの良さ、オリジナルでしかできない書き方を振り返ることができたからだ。
 メモをざっくりするなら、ウィークリーが一番手っ取り早い。
 目標実現するために思考を整理するなら、フランクリン・プランナーはあなどれない。
 だからこそ、ちょっとした思い出を記録するなら、オリジナルがちょうどいい。少なくとも今の私にとっては、長くこの手帳に慣れ親しんだから、離れるのはちょっと寂しい。

 自分の手帳歴方式で読むのは大変だったでしょうが、いかがでしたか。

 来年の手帳、どうしようかな。
 変えるべきか。そのまま続けるか。

 悩んでいたら、この記事のことをちょっとでも思い出してくれると嬉しいです。
 それでは、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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