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佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてください

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#読書感想文

「冬に子供が生まれる」佐藤正午      ※後半部分にネタバレ考察あります

「冬に子供が生まれる」感想 表紙にいる2人の子供が「マルセイ」と「マルユウ」です。 丸田誠一郎(まるたせいいちろう)と丸田優(まるたまさる)。 同じ小学校に通う2人は小学生のときに、転校生の佐渡理(さどおさむ)と共にUFOに遭遇し、その事件は新聞にも掲載される。 そして10年後「あのときの子供たち」という取材が行われ、そのときの山道での事故で先導のバイクと取材者の2人が亡くなってしまう。 運命が変わる。 大学入学目前の春休み、事故のあとにマルセイとマルユウには変化が

佐藤正午さんの「冬に子供が生まれる」2024年1月30日発売予定です!

待ち切れない気持ちが長すぎて「自分のなかでの情報解禁は2週間前」と決めていました。 7年ぶりの新作? 「月の満ち欠け」から7年? 自分の中では5年くらいの感覚だったのですが、月日のたつのは早いものです。 同学年の友人の「マルセイ」と「マルユウ」の物語。 同級生の思い出話にびみょうな食い違いがあり、読者の記憶も混同される。「UFOのこどもたち」だった2人が巻き込まれた事件のこと。それに関わった人々の違和感。そういうものが語られるうちに、わたしたちは「気づかされて」ゆく...

「書くインタビュー」4 佐藤正午 (佐藤正午さん、ファンならではのネタをわたしに語らせてください)

まったくもってふざけた装丁だと思います。 あの「直木賞の賞状?」がそのまま表紙になってるのだから。 しかも! 表彰式に行かれてこの賞状をいただいたというのならまだしも、ご本人は会場に行かず編集者の坂本氏に出向かせたのに。実際に受賞の挨拶を代読したのは坂本さんなのに! そうですか、なのに、表紙にするわけですか? いえ、作品は素晴らしいし、大好きだし「日本を代表する7人の佐藤正午ストーカー」を選ぶなら、絶対に選出される自信ありまくりの私ですが。 いやはや、この表紙には唸りました

再生

佐藤正午さん「ファンならではのネタ」を私に語らせてくださいその5:「月の満ち欠け」の編集者の坂本政謙さんが岩波書店の社長に就任しました

「月の満ち欠け」の編集者である坂本政謙さんが、岩波書店の社長に就任される。吉報だ。いてもたってもいられなくなって、お祝いのムービーまで作ってしまった。もともと佐藤正午さんのファンであった坂本さんは18年前に執筆のお願いに佐世保を訪れる。「待ちます、いつまでも」と、他社の原稿があがるのを待ちながら、エッセイ「ありのすさび」などを出版。そうして2017年に「月の満ち欠け」が出版され、直木賞を受賞した。伝説はいくらでもある。サイン会前のレストランで「直木賞をとりましょう」と言って作家にたしなめらりたり、あげくは直木賞の授賞式で原稿の代読をさせらりたり。そんな坂本さんのすごいところは「この作家にぜひ描いてほしい」という自分の思いを、長い年月をかけてを貫いたことだ。佐藤正午は「知る人ぞ知る」作家だった。それを直木賞作家におしあげたのは坂本さんだと思う。ただただ素晴らしい作品描いてほしいという、とてつもない情熱。サイン会のあとの記念撮影のときに作家はこう言う。「坂本くんもいっしょに撮って」。ここにもまた編集者の力をリスペクトした作家の愛を感じた。愛には愛で返せ、だ。わたしもいちファンとして、いてもたってもいられず愛をこめて動画を作りました。坂本さん、岩波書店社長就任おめでとうございます!