森さんの発言の根底にどうしたらアプローチできるのか

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森さんの発言で色んな記事やコメントが出回っている。

この仕事をしていると、いつの時代かと思うような女性軽視発言に苦しみ悩み自分を責める方に多々出会う。
よって、森さんもきっと、本人の中では何も違和感がない内容だからこそ、フツーに発言してしまったのだろうなと想像している。ありえん。

ただ、森さんの発言がニュースになって以降、繰り返し出てくる記事やコメント等を見て思うことがある。
「この発言はひどい」「過去にはこんなこともあった」「退いてもらう必要がある」等、叩いたり、過去の事例を掘り返して「ほらこんなひどい人だった」的なことを言うのは簡単だ。

退いてもらうことも一案なのだろう。
でも、本来、議論すべきは「この視点の偏りを是正するには何が必要か」であり、「ほれごらん」とか「消してしまえ」的な一時的な対策じゃないんだよなと。

せっかくのチャンスじゃないか!

身近にいる、森さんのようなポジションパワーを持つ人のマインドに、どう働きかけられるのか、かなと。
 
 
昨日、外国人の人達とこの話が出たが、「アメリカやカナダだったら、こんな発言が出たら、ワーワーと騒ぎ立てる人が出てくる。過激な場合もあるけれど、結果的に変化を起こす。でも日本は大人しいよね」、と言われてなるほどと思った。たしかに。
日本に帰国した時に、周囲がびっくりするくらい早い段階で「しょうがないよね」と諦めることに驚いた。そんなことを思い出した。
 
世の中が多様性を増している中、トップ層(決断して物事を動かす力を持つポジションにいる人達)が多様化することのメリットは言うまでもない。
実際に女性が役員に入っている会社は、いない会社に比べてビジネス上のメリットが高いことを示す調査結果もある。

せっかくのこの機会。
ジェンダーギャップ121位に嘆いて「こんなにひどいんだ!」と言うだけでなく、NHKとかでどんどん「じゃあどうしたら良いか」のリアルや、多様化が進んでいるところの、そこまでの変遷特集みたいなのをやってくれないかなぁ・・・。

本当は、女性や男性に限らずその人をその人として評価していくことがベスト。でも、今はまだ個別対応に行くにはマインド変革に必要なステップが多すぎる。だからこそ、ひとまず「女性」という塊をほぐすことが出来なければ!

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女性活躍推進関連の研修や登壇を依頼されるとき、出来るだけデータを使うようにしている。具体的にどんな施策があると良い、等も色々な会社の事例を踏まえながら伝えるようにしている。

多様化のメリット、データを何度も何度も伝え、どんなことをやると良いか、具体的なアクションも紹介し、それが脳内で当たり前の事実として刷り込まれること。そこがまずは第一歩なんじゃないかなと。

小さいけれど、未来志向で。

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ところで、森さんのことを受けて「だから老人は」も沢山聞こえてくる。
それって、森さんの「〇〇さんは話が長い」が「女性は話が長い」に変換されたのと同じなのだけどなぁ。
ちゃんと「多様性の重要性を理解していない人」として欲しいかも。


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