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お酒が繋ぐ縁

私はお酒を嗜むようになり20年近くが経とうとしている。
若い頃は学生時代の友人達と朝まで酔っ払うまで安い酒を味も特に気にせずただただ消費するだけだったが、社会人となり学生バイトの給料とは桁違いな額(それでも若手なので薄給だが)を頂くようになり少しずつ拘りも出てきた。
ビールやウィスキーはこの銘柄!といった具合だ。
(この歳になって当時を振り返ると、何故そのチョイスなのか自分でも不思議になるが)

そして、元々お酒は好きな方なのでどんどんのめり込んで行く事になる。
そうすると、この気持ちを誰かと共有したい、共通で話せる人が欲しくなってくるものだ。

そんな、少しモヤモヤした気持ちがありつつ、当時勤めていた会社の宴会終わりに二次会としてたまたま入ったお店があったのだが、そこが非常に居心地が良かったのだ。
そして別の機会に、人見知りな私は勇気を振り絞って1人で出向いて見ることにした。
店主は暖かく迎えてくれ、周りの常連客も仲間に入れてくれた。とても嬉しかった事を今でも覚えている。
色々と話も盛り上がる事も多く、遂には毎週末そのお店に行く事がルーティン化してしまった。
年齢も職種も性別もバラバラで普段の生活ではまず交わる事が無い人達が1つのお店という空間の中で真面目な話から馬鹿話まで色々な話題で盛り上がりつつ杯を交わす。これ程素晴らしく楽しい時間は無いのではないか。いつもそう思っていた。

…時は経ち、その通い詰めたお店は諸事情もあり閉店する事になり、今は別のオーナーが業態を引き継ぎ継続されているが全く別なお店になった。

当時、私と同じく通い詰めていた常連客とは今でもたまに顔を合わす事があり、当然歳を重ねて、其々の人生経験を経て若かったあの頃とは全く別な人になっている訳だが、今も当時と同じように馬鹿話が出来て笑って居られる仲である。
こういう人達、経験は人生の宝物と言っても過言ではないと強く思っている。
まさにお酒が繋いだ縁なのだ。

そして、クラフトビールにハマり出して、はや10年が経とうとしている。
特に関西のクラフトビール業界は狭いので、お店やイベントでよく顔を合わせる人達が多く居る。
そして、全国的な規模のイベントで知り合い、仲が深まり住んでいる地域が全く異なるにも関わらず、毎度顔を合わすような人もいたりする。
みんな必ず、会う度に笑顔で挨拶、乾杯とこれもまたお酒が繋いだ縁なのだ。

昨今、お酒は悪者という風潮があるが私は全くそうは思わない。
勿論、適度な飲酒量というのが絶対条件ではあるがお酒で広がる世界がもっと他にもあるのではないか、世界中に私と同じ事を思っている人がいるのではないか?そう考える。
今後もお酒が繋いでくれた縁を大切にしていきたいと思っている。

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