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吐き出したって吐き出せない物もある。

 頭痛が酷い。まともに立っていられないため、今日は終日ベットに寝転がっている。普段はパソコンで執筆している私だが、本日はそれ故スマホである。おそらく文体に差は生じないだろうが、私の精神状態は普段とは違う。寝転がっていると何もできない、頭が痛いため読書すらできない。それ故、思考の世界に身を落とすしかない。自分の世界に没入するしかない。だが、思考がまとまらない。モヤがかかっていて、ろくにものを考えられない。それなのに、不安や絶望や恐れは絶え間なく浮かんでくる。……。
 いつもより死にたい。無力の感が甚だ深い。
 心の底から死にたいと思った。私の人生と未来に、一切の価値が感じられなくなった。
 恋人からのラインの返信が来る。……もう少し生きようと思った。たまらなく恋人に会いたくなって、LINEをして外に出る準備をした。頭痛が酷くなり、吐き気を催す。心の底から会いたいのに、私の心は外を恐れている。情けなくなって、吐いてしまった。


 私の住んでいる栃木県宇都宮市に、昼頃大雨洪水警報が出た。それに付随して土砂崩れの恐れが生じて、2度ほどスマートファンのアラートが鳴った。
 あの音は不快だ。頭痛と、心因性の吐き気を増長させる。
……。
 そのせいで、再び吐いた。
 吐いてる時、妙にスッキリした頭で、大雨が、土砂と共に憂愁を、私自身を攫っていってくれればと思った。
 吐瀉物に憂愁は含まれてなかった。胃酸と、昨日食べたご飯が含まれているだけだった。胃酸のこの酸っぱさが、人生の辛酸ならば、おそらく私の抱えてる辛さは一般的なもので、街行く人々は耐えられるものなのだ。私だけが我慢できないんだ。吐き気だって、私以外の人々は飲み込んでいるんだ。
 耐えられるものを耐えられない私に、これから社会の荒波を泳ぎ切ることが、果たしてできるのだろうか? 
………………。

 どうかわたしをころしてください。土左衛門は醜いから。

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