Remon


レモン
昔飼っていた愛猫の名前だ。

私が小学2年生の時に
共働きだった親が
留守番が寂しくないようにと
保健所から貰ってきた猫。

レモンとつけたのは私だ。
友達の猫がイチゴで
語呂が似てるからとつけた気がする。

小さい頃から猫が好きだった私は
それはもう溺愛した。
小遣いを全て
レモンのおやつに注ぎ込み
爪とぎに注ぎ込み
トイレをせっせと綺麗にして。
暇さえ有れば撫でまくり。

レモンからしてみたら
構われすぎて少々?かなり?
鬱陶しかったと思う。

それでも
いたずらで切られてしまって
私の小指よりも短い尻尾や
茶色くてふわふわした毛。
くりくりした目に
長さがまばらなヒゲ。

全てが可愛くてしょうがなかった。


ある日、去勢手術のため
病院に連れていった時の事。

獣医さんに
大事に育てれば
貴方が大人になるまで生きてくれるよ。
と言われた。

その言葉通り、
レモンは22年生きた。

20歳前に家を出てしまったので
レモンの一生を共には出来なかったけど。

もういよいよ危ないと連絡を受け
産まれたばかりの我が子を抱えて
実家に戻った。

体は痩せ細り毛は塊になっている。
動くのもしんどいのか、
こちらをチラッと見てまた目を瞑る。

「レモン、無事に産まれたよ。」

首も座ってない我が子を
レモンの前に差しだす。

小さくにゃぁと泣いて
匂いを嗅ぐ。

レモンに見せれてよかった。

次の日、レモンは息を引き取った。


レモンを思う時いつも考える。
この子の猫人生は幸せだったのだろうか。

私は貴方に沢山の感謝と愛を伝えたい。

うちの子になってくれてありがとう。


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