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ヴィーガン という 選択 は 善 か 。

ここ数年で "ヴィーガン" という言葉をよく耳にするようになった。

そもそも "ヴィーガン" とは、日本語では「完全菜食主義者」と訳されていて、肉食を避ける人々のことを指す "ベジタリアン (菜食主義者)"と区別するために1994年にイギリスで生まれた言葉だそうだ。

「完全」と頭につくくらいなので、
「酪農製品(卵・牛乳・チーズなどの乳製品)を食べないベジタリアン」 かつ食生活以外にも、動物性の素材を使わない(例えば、衣類や化粧品etc.)など、食だけでなく生活全般にわたっている。

アイコンを目玉焼きにしているくらいなので、私はヴィーガンではない。ヴィーガンなんてあり得ない、私に縁のない話だと思っていた。卵もお肉も乳製品も大好き。食べない生活はまだまだ想像できないが、ヴィーガンという考えを生活に取り入れることって重要かも、と考えるようになった。動物愛護、健康面、環境保護...さまざまな考えからヴィーガンを選択する人がいるが、私の場合、「環境」について考えた上でヴィーガンという選択の可能性が広がった。


なぜ環境について考えたらヴィーガンという選択になるのか。


環境問題はヴィーガンの人たちが拒む酪農製品の生産プロセスと密接に関わっている。畜産業は環境に負荷を与えているのだ。私が調べたなかで、環境負荷の原因として大きく分けて以下の3つが挙げられるのではないかと思った。

1. 温室効果ガスの排出
2. 大量の水が必要
3. 森林面積の減少に寄与


1. 温室効果ガスの排出
家畜のゲップや糞尿には温室効果ガスであるメタンの発生が伴う。メタンの排出量の3分の1を畜産業が占めているともいわれている。

2. 大量の水が必要
穀物1 kgの生産に必要な水は2〜7t、牛肉1 kgを得るために必要な水は100t。単純に穀物と牛肉を比較することが正しいことかはわからないが、必要な水の量が大きく違うということは明らかである。

3. 森林面積の減少に寄与
牧草地は森林伐採によって開拓される。地球陸地のおよそ4分の1を牧草地が占めると言われており、また世界で生産される作物のおよそ3分の1が家畜の食料として利用されている。
家畜が増えると牧草地の開拓や餌となる穀物生産のため、森林伐採が進むのだ。

そして極めつけは、家畜生産システムの生産効率の低さだろう。

栄養素の多くは水や大気中に漏出するうえ、大量の糞尿や副産物も発生する。飼料として家畜に与えられた作物や牧草中の窒素やリンのうち、人の食料に保持される割合はおよそ2割にすぎない。失われた栄養素の多くは、地下水や地表水に流れ出て、淡水を介して沿岸海洋システムに運搬される。(世界の農林水産, 2018 発行JAICAF)

水や資源など、大量のエネルギーが消費され、そして副産物も発生するのに、得られる栄養素は低いという。今までの食生活もあるので、明日から、さあヴィーガンにとはなかなかいかない。お肉や乳製品を食べない日をつくるとか、環境負荷を軽減する生産システムが確立されているところから購入する(実際に存在するかはしらないが)とか、自分で選択していく必要があると思った。

また、勝手な推測だが、多くのヴィーガンは畜産動物の飼育のされ方に疑問を抱いていると思う。私もSNSなどで知らなかった事実を知り、ショックを受けた。自分の食生活について見直す機会になった気がする。このような経緯で酪農製品について考えている中で、私の食生活の新たな選択肢として、ジビエ(狩猟肉)が浮上している。今、関心のあることの一つなので、今後いろいろと調べていきたいと思う。



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