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「超」書く技術 : 全文公開 序章

『「超」書く技術 』150字で人生を変える (プレジデント社)が4月20日に刊行されました。
これは、序章全文公開です。

序章:よりよい人生のチャンスを手にできるか否かは、「書く力」で決まる

●文章で能力が評価される
 文章を書く力は、どんな仕事を行う場合にも重要です。これまでもそうでしたが、その重要性が高まっています。これまで電話で連絡していたことを、メールで連絡する場合が増えているからです。
 文章を書く機会は、10年前と比べても劇的に増大しています。
 第1章で詳しく述べるように、口頭での伝達とは違って文章の場合には、その人の知的水準や能力があからさまに現れてしまいます。
 メールは毎日何通も書いているので、書く力を毎日のように評価されていることになります。メールの文章を通じて、一般的な能力を評価されているのです。仕事環境は、大きく変わりました。

文章力が低下している
 文章の重要性が増しているにもかかわらず、文章を書く力が落ちています。
 これは、ツイッターなどのSNSの影響も大きいと思われます。これらの多くは匿名で書けるため、不正確な文章を気楽に書いてしまうからです。あるいは、親しい友達に対するメールです。絵文字などを使い、話していることを単に文字にしただけのものです。
 このような文章を書くことに慣れてしまうと、そうした文章が普通の文章だと思うようになります。そして、仕事でも、それと同じような文章を書くことになってしまうのです。
 対面で話している場合には、敬語の使い方を間違えてもあまり気になりません。しかし、文章では大変気になります。重要な取引相手に対して敬語を間違えれば、社会人失格の烙印を押されてしまうでしょう。

文章力が向上すれば、認められる
 文章力が強く求められるようになっているにもかかわらず、多くの人の文章力が低下している。これは、考えようによってはチャンスです。
 そのことに気づいて文章力を鍛えた人が、認められるからです。多くの人の文章力が落ちる中であなたが文章力を向上させれば、必ず認められます。
 単に文章力が認められるだけではありません。あなたが文章力を示すことができれば、それはあなたに仕事をする能力があると示せることになります。
 これによって、あなたは新しいチャンスを摑むことができます。
 会社で働いている人は、周りの人や上司から能力を認められて、新しい重要な仕事を与えられるでしょう。
 社外から勧誘がかかってくることもあるでしょう。思いもかけないところから転職の誘いがあるかもしれません。

●いまはチャンス
 経済情勢が厳しいいま、どんな会社も有能な人材を求めています。これまでの日本の社会では、学校を卒業したときの就職で一生が決まってしまう場合が多くありました。いまでも、企業間の流動性は十分とはいえません。しかし、状況が大きく変わりつつあることは間違いありません。
 これまでは、社外の人々の能力を適切に判断する機会が少なかったために、なかなか転職が進みませんでした。しかし、その条件が大きく変化しているのです。
 仕事を頼む側にしてみれば、面接をしなくても、文章を見るだけで能力を正確に評価できます。あなたも、正式な就職の申し込みをしたり、試験を受けて面接を受けたりしなくても、自分の能力を多くの人に伝えることができるのです。
 この機会をぜひ活用し、チャンスを摑んでください。

「書く力をつける」のは難しくない
 では、文章力をつけるには、どうしたらよいでしょうか?
 これは、それほど難しいことではありません。物理学で新しい発見をしたり、数学の難しい定理を証明したりすることに比べれば、ずっとやさしいことです。特別の才能はいりません。誰にでもできることです。
 書く力が衰えるのは、「日本人だから、日本語ぐらいは書ける」と考えて、格別の訓練をしないからです。
 本書で述べるような注意をいつも意識していれば、そして訓練を続ければ、それほど大変な努力をしなくても、書く力が向上します。
 人々を感動させる文章や、格調高い文章を書く必要はありません。考えていることを、正確に、分かりやすく伝えることができればよいのです。このための訓練を、日々続けてください。
 なお、第1章で述べるように、学校では文章力の教育は簡単にはできません。そこで、自分で学ぶのがよいでしょう。つまり、独学で文章力をつけるのです。

文章力はあなたの味方、最強の武器
「文章を書くのは苦手だ」と考えている人が多いかもしれません。「必要に迫られなければ書く気にならない」という人も多いでしょう。
 文章を遠ざけていると、書く力はなかなかつきません。そして、文章を書くことがますます億劫だと考えるようになってしまいます。
 こうした人は、文章を敵だと考え、なるべく近づかないようにしているのです。その結果、文章があなたからますます遠ざかってしまいます。
 発想を切り替えて、「文章は自分の味方であり、最強の武器だ」 と考えてください。そして、積極的に文章を書くのです。
 すると、文章力が自然に鍛えられて、文章を書くことが楽しみになります。そうなれば、文章力がさらに向上するでしょう。
 このように、文章を敵と考えるか、あるいは味方と考えるかは、大きな違いをもたらします。文章は、敵ではなく、あなたの味方なのです。

文章を書くことで好循環が始まる
 文章を書くことは、あなたの生活を変えることになります。
 文章を書き続けることによって、これまでは気がつかなかった多くのことに気づくでしょう。これまでは疑問に思わなかったことを、疑問に思うようになるでしょう。それらの中から、新しい可能性を発見することもあるでしょう。こうしたことによって、あなたの生活や仕事が変わります。
 第7章で述べるように、文章力を活用する機会は、昔に比べてずっと多くなりました。それらを通じて、あなたの文章力を広く伝えることができます。
 文章力が多くの人に認められるようになれば、あなたは文章力をさらに強めようと努力するでしょう。
 こうして、好循環が発生します。このような過程をぜひ実現してください。


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