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『アメリカはなぜ日本より豊かなのか』     全文公開:第7章のまとめ

 『アメリカはなぜ日本より豊かなのか』(幻冬舎新書)が8月28日に刊行されました。
 これは、第7章のまとめ全文公開です。

◆第7章のまとめ


1 .不法移民の急増によってニューヨーク市などの治安が急速に悪化し、深刻な問題となっている。これは、アメリカ大統領選挙での最大の争点になった。壁の再建というトランプ氏の政策は分かりやすく、支持が広がっている。バイデン大統領は苦戦。

2 .アメリカへの移民の急増は、社会的な混乱をもたらしているが、同時に、労働力の供給を増やし、インフレを緩和させる効果を持っている。これは、FRBの利下げタイミングに大きな影響を与える。

3 .アメリカ大統領選挙で、もし第二次トランプ政権が成立すれば、第一次政権のときと同様、アメリカの対外コミットメントの縮小、在日米軍の費用負担増加などを求めてくる可能性がある。また、対中強硬策を強化する可能性もある。

4 .第一次トランプ政権は、関税率引き上げなどによって中国に対する貿易戦争を始めた。トランプ政権の対中強硬策の大部分は、バイデン政権によって引き継がれた。

5 .トランプ前大統領は再選されれば、アメリカ国内では、「影の政府」を撲滅して反対意見の排除に乗り出すとしている。

6 .アメリカの強さの根源は、異質なものに対する寛容なのだが、アメリカは自らそれを放棄しようとしている。

7 .女性で非白人という、トランプ氏と対極にあるハリス氏の登場で、アメリカ大統領選の状況は大きく変わった。ただし、副大統領としてのハリス氏の業績に対する評価は、あまり高くない。とくに問題なのは、今回の大統領選の最大争点である不法移民問題に対して、適切な対応ができなかったことだ。ただし、それをハリス氏が選挙戦で挽回できる可能性は残されている


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