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『どうすれば日本経済は復活できるのか』 全文公開:第1章のまとめ

『どうすれば日本経済は復活できるのか』 (SB新書)が11月7日に刊行されました。
これは、第1章のまとめ全文公開です。

第1章のまとめ

1.2000年の沖縄サミットのときにG8で最も豊かな国であった日本      は、現在ではG7で最も貧しい国だ。こうなったのは、日本企業が円安に安住して、技術開発や企業改革を怠ったからだ。

2.日本病から脱却するためにまず必要なのは、なぜ日本病に陥ったのか、原因を明らかにすることだ。日本病の原因は人口高齢化なのか? そうであるのなら、なぜ金融緩和で物価を引き上げようとしたのか?

3.世界競争力ランキングで、日本は世界の64カ国中、第35位だ。アジア太平洋14カ国中では第11位だ。1990年代の中頃に世界のトップであった日本がここまで凋落した原因は、経済政策の誤りにある。日本人の基礎的な能力は世界トップクラスなのだから、この状態を何とか変えなければならない。

4.台湾、韓国の1人当たりGDPは、日本とほとんど同じレベルになった。成長率が高いので、今後日本を抜くことはほぼ確実だ。中国をはじめとするアジア諸国と日本の1人当たりGDPの格差も縮小している。今後労働力不足が深刻化するにもかかわらず、日本は外国人労働力を得にくくなる。

5.企業時価総額の世界ランキングで、上位がアメリカのハイテク企業によって占められる状況は変わっていない。100位以内の日本企業の数は、ヨーロッパに比べても見劣りがする。これは、アメリカで企業の新陳代謝が進んでいるのに対して、日本では進んでいないからだ。

6.GDPや生産性、賃金などを国際比較する際に、購買力平価という指標が用いられることが多い。これには注意が必要だ。十分に理解しないで使うと、誤った結論を導いてしまうことがある。「実質為替レート」という指標もある。これで見ると、日本人の豊かさは70年代より低くなってしまった。


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