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『日銀の責任』低金利日本からの脱却                  全文公開:目次

『日銀の責任 』低金利日本からの脱却 (PHP新書)が4月27日に刊行されました。
これは、目次全文公開です。

目次

はじめに

  日本は危機的な状況にある 5
  本書の概要 6

 図表目次 26

第1章 ここまで弱くなった日本経済

1 日本のカイシャは、もうダメだ⁉ 30
  日本企業はアフリカやモンゴルの企業と同列 30
  「デジタル競争力」で日本は「世界最低」! 32
  時価総額の世界トップ100社に、アメリカは62社、日本は1社だけ33
  日本企業はEVやファブレスへの移行に対応できるか? 35
  製造業のファブレス化に対応できない日本 37
2 経済が成長しないと、賃金は上がらない 38
  どうやって賃金を上げるのか? 38
  一人当たりGDPの成長が、30年前に止まった 40
  新しい資本主義の前に、30年前の活力を取り戻せ 41
  日本の劣化は、人口高齢化のためか? 43
  日本の地位後退は、円安のためか? 44
  企業の競争力が落ちている 46
  日本は抜き返せるか? 47
 ■第1章のまとめ 48

第2章 円安に襲われた日本の惨状

1 物価は上がるが、賃金は上がらず 50
  円安が引き起こした物価高騰 50
  物価高騰によって実質賃金が下落した 51
2 消費者には「インフレ税」、大企業には円安による補助 54
  物価高騰の約半分は、円安による 54
  大企業は補助金を受けているのと同じ 55
  消費税率を上げたのと同じこと 56
  インフレ税は最も過酷な税 57
  日本の労働者は見捨てられている 57
3 働く人が日本を見捨てる 60
  外国人労働者の日本離れ 60
  NTTはGAFA予備校? 61
4 天国の大企業と地獄の零細企業 63
  天国と地獄 63
  企業全体の業績は好転 64
  地獄に落とされた零細企業 66
  大企業では、利益増加率が2桁 67
  数量の変化か、価格の変化か? 68
  賃金は今後も上昇しないだろう 69
5 下請け構造の歪みが顕在化 71
  製造業では、大企業以外は、コスト増を転嫁できず 71
  製造業の大企業は、コスト増以上に売上増 72
  下請け構造がもたらす歪み 73
  非製造業では、零細企業以外は転嫁が進む 74
  物価高騰の犠牲者は、消費者と零細企業 76
  企業規模の違いによる差が鮮明化 77
 ■第2章のまとめ 78

第3章 30年間の円安政策が日本を弱くした

1 円安が日本病の根本原因 80
  日本病が円安をもたらすのではなく、円安が日本病をもたらす 80
  中国の工業化で鉄鋼業と化学工業が打撃を受ける 82
  従来の産業を残すために、円安に頼った 84
  2003年、大規模な円安政策が始まる 84
  2000年代の円安により、アメリカでバブルが起きる 86
  円安は麻薬 86
2 日本の電機産業の凋落 88
  ファブレス化に対応できなかった日本の電機産業 88
  成長率の低下の原因は、バブル崩壊ではない 91
3 競争力の低下で、経常収支が恒常的に赤字となる危険 94
  構造要因による赤字拡大分は? 94
  構造要因は、鉱物性燃料による赤字増の1・5倍 95
  電気機械の落ち込みが激しい 97
  長期的に経常収支が赤字になる可能性 99
  アメリカは経常赤字を続けられるが、日本はできない 101
 ■第3章のまとめ 101

第4章 異次元緩和の本当の目的は何だったのか?

1 物価が上がり、賃金も上がると説明された 104
  物価上昇率目標の2つの問題 104
  「フィリップス・カーブの死」は分かっていたはずだが…… 106
2 金融緩和で物価が上昇するはずはない 108
  「紙幣を刷った」と誤解している人が多い 108
  マネーは増えなかった 109
3 異次元緩和の本当の目的は、低金利と円安だった 113
  国債購入による金利引き下げと円安 113
  2016年に、イールドカーブ・コントロールを導入 115
  イールドカーブ・コントロールの問題が露呈 117
  急激な円安なのに日銀が金融緩和を続けた理由 118
4 異次元緩和は日本経済を活性化しなかった 121
  企業利益は増えたが、賃金は上がらず 121
  企業利益が増えたのは、円安のため 123
  輸入インフレで物価が上がり、実質賃金が低下 124
  アベノミクスで日本の地位が大きく下がった 125
5 円安が企業利益を増やしたメカニズム 127
  円安で輸出が増え、企業利益が増えた 127
  円安は輸出数量を増やさなかった 128
  消費者が輸入価格増を負担したから、企業の利益が増えた 131
  売上高がわずかでも増えると、利益は大きく増加する 132
  2022年に、円安の弊害が意識されるようになった 135
6 MMT(現代貨幣理論)は、やはりインフレで破綻した 136
  国債発行で、いくらでも財政資金を調達できる? 136
  コロナ禍での財政運営はMMTが正しいことを示したように見えた137
  危惧していたとおり、インフレが起きた。打ち出の小槌はない 138
  日本のインフレは海外要因によるから、アメリカとは違うか? 139
  円安は放漫財政の後遺症 140
 ■第4章のまとめ 141

第5章 急激な円安はなぜ起きたのか?

1 2022年春からの急激な円安 144
  2022年春から急激な円安が進む 144
  輸入物価上昇の約半分は、円安による 146
  円キャリー取引で円安が進む 147
  「適正な為替レート」は、1ドル=75・73円? 148
  為替レートは、投機筋の動向によって大きな影響を受ける 151
  円先物取引の残高を見る 152
2 日銀は金利を引き上げる必要がある 154
  日銀は円キャリーの投機取引を支え、円安を加速させている 154
  金利上限値を、物価上昇率に合わせて引き上げる必要がある 155
  物価上昇率が高まれば、名目金利も上がるのが道理 156
3 日米のインフレは、どこが違うか? 157
  総需要・総供給のモデルとは157
  アメリカのインフレは、総需要曲線のシフトによるデマンドプル・イン     フレ 160
  日本で生じているのは、総供給曲線のシフトによるコストプッシュ・インフレ 162
  いまの日本で必要とされるのは、金利上昇の容認による総供給曲線の右方シフト 165
4 外貨預金に走る人への警告 167
  キャピタルフライトは起こっていない 167
  資産防衛のために外貨預金をするのは正解か? 168
  いま外貨預金をすれば、「安値売り」の可能性 169
  ファンドの取引と預金は、同じではない 171
 ■第5章のまとめ 172

第6章矛盾だらけの経済政策

1 政府がブレーキをかけ、日銀がアクセルを踏む 174
  為替介入の効果がないのは、日銀が打ち消したから 174
  「不胎化」で介入効果を打ち消すと、日銀総裁が明言 175
  財務大臣は「日銀と連携」と言うが、実態は「対立」 176
  介入も金利抑制も無限には続けられない 177
2 政府の物価対策は大きな問題をはらむ 179
  物価高騰の原因に対処していない 179
  政府は円安を望ましいと考えているのか? 180
  原油価格が下がれば、円安のみが物価高騰の原因になる 182
  補助金は、価格の需給調整機能を殺す 183
  不公平な物価対策 184
3 消費者物価指数が「ウソ」をつく 186
  消費者物価上昇率が、実態より低く見える 186
  年金の物価スライドには、どの上昇率を使う? 187
  年金スライドで訴訟が起きる? 188
4 体温計を壊して病状を見えなくする政府 190
  必要なのは、体温計を壊すことでなく、治療すること 190
  石油ショック時の対応は正しかった 191
  われわれは、朝三暮四の猿ではない 192
5 国債償還期間延長で、無から有を生み出せるか? 194
  防衛費増額の財源を、国債償還期間延長で生み出す? 194
  国債は、債務償還費と借換債で償還する 195
  償還期間延長は、国債増発で防衛費増を賄うのと同じ 196
  予算案を通すのは楽になる 199
 ■第6章のまとめ 200

第7章行き詰まった異次元緩和

1 国債市場に異変 204
  物価目標は達成されたのではないか? 204
  国債市場に異変が起きる 206
  国債発行増の予想が金利を引き上げた? 207
2 債券市場に混乱が広がる 208
  地方債と国債のスプレッドが異常に拡大 208
  イールドカーブから見ると、10年物国債の「実態」金利は0・5%になった 210
  住宅ローン金利を引き上げざるをえなくなる 211
  為替レートが円高に転換する 212
  国債発行コストは上昇したほうがよい 213
3 市場の圧力に屈した日銀 214
  2022年12月20日、日銀が政策転換 214
  矛盾した政策が投機の対象となった 215
  投機ではなく、市場が日銀を屈服させた 217
  いかなる権力者も、市場の判断に逆らえない 218
4 資金市場の歪みがますます深刻に 220
  市場金利が日銀の設定した上限を超えるという異常事態 220
  金利上昇見込みが非常に強い 221
  イールドカーブの歪みも残った 223
  地方債や社債の発行に支障 223
5 貿易赤字拡大と金融緩和との深くて重大な関係 225
  日本の国債市場は鎖国的市場 225
  日銀が導入した奇妙な政策 226
  経常収支が赤字になる可能性 227
  日本は、成熟債権国から債権取崩し国になるか? 228
  鎖国的な国債市場を放置することこそ問題 229
6 海外ファンドが得る投機利益は誰が負担するのか? 231
  日本の国債市場混乱の背景に、海外ファンドの国債売り投機 231
  海外ファンドの日本国債投機 232
  日銀は大量の国債購入に追い込まれる 234
  日銀保有国債の価値は低下 235
7 金利が上昇すれば、日銀は債務超過に 238
  日銀保有国債が含み損 238
  国債価格下落による巨額の評価損をどうするか? 239
  満期まで保有しても、日銀は債務超過になる 241
  日銀納付金がな利益は誰が負担するのか? 231くなるので、国民負担が増加 244
 ■第7章のまとめ 245

第8章日本経済は新しい段階へ

1 日本経済が大きく変化し始めた 248
  金利が動き出した 248
  急激な円の減価は止まった 249
2 さらば低金利時代 251
  マイナス金利時代は終わった――ただし日本を除いて 251
  実質金利もマイナスから脱出 252
  日本では名目金利抑制のため、実質金利がいまだにマイナス 254
  長期金利が1%になるか? 254
  住宅ローン金利が上がる 255
  ゾンビ企業が破綻する 256
3 物価高騰はいずれ収まるが、基本問題は未解決 258
  輸入物価の対前年比が大きく低下 258
  輸入物価は、今後どのように推移するか 259
  2023年の夏前に、物価高騰が収まる可能性 261
  基本的な問題は、未解決のまま残っている 261
4 机上計算では5・8%賃上げが可能だが…… 263
  物価高騰で、実質賃金は下落し、企業の利益が増えた 263
  机上の計算では、5・8%の賃上げが可能 264
  連合の言う5%賃上げは、実際には無理 265
  零細企業の惨状 266
  5%賃上げは、正しい答えではない 268
5 金融政策では日本経済の活性化はできない 269
  賃金が上がらず、企業の生産性が低い状態は続いている 269
  春闘賃上げ率3%でも、経済全体の実質賃金は大幅減 270
  日本経済の活性化は金融政策ではできない 271
 ■第8章のまとめ 273

第9章 新しい金融政策を日本再生の第一歩に

1 新しい金融政策に向けて 276

  急激な円安は収まったが、実質賃金の下落は続く 276
  日銀新体制の課題 278
2 物価目標の取り下げを 279
  異次元緩和の評価が必要 279
  目標は、物価でなく賃金に 280
  無理矢理に呑まされた2%目標 282
3 金利統制の廃止を 284
  長期金利のコントロールをやめ、市場機能を復活させよ 284
  中央銀行の本来の使命に戻れ 285
  円の価値の維持 287
4 新しい金融政策には、科学的手法の導入を 289
  長期金利の上限はどんな根拠で決めたのか? 289
  自然利子率とは 290
  不況入りを覚悟して利上げ 292
  自然利子率との比較では、現状もまだ過剰な緩和 293
  低金利は、非効率な投資を許容し、経済を弱体化させる 294
  日銀の政策体系が抱える深刻な矛盾 295
  政府と日銀の見通しの食い違いは問題 296
  高すぎる政府見通し 297
  見通しの共通化が必要 298
  日本では自然利子率が低いので、実質金利がマイナス圏から脱却できない 299
  自然成長率を引き上げよ 300
5 財政放漫化助長からの脱却を 301
  日銀は財政放漫化に加担してきた 301
  防衛費増額の財源は国債であってはならない 302
  イギリスでは、金利高騰が不合理な政策を撤回させた 303
  日本では市場のシグナルが見えなくなっている 305
  壊れてしまった国債市場の再建が、日銀新体制の最重要課題 306
  財政法第5条を死守せよ 307
  すべての国民が金融政策に関心を持つ必要がある 308
 ■第9章のまとめ 310

索引

図表目次

 図表1-1  IMD世界競争力ランキング 31 
図表1-2  IMD世界競争力での日本の順位 32  
図表1-3  時価総額世界トップ100位までに入る企業数 34 
 図表1-4  日本の賃金の推移 39  
図表1-5  日本の一人当たりGDPの推移 41 
 図表1-6  日米の一人当たりGDP伸び率 42 
図表1-7  自国通貨建ての一人当たりGDPの成長率 45

図表2-1  各年5月の実質賃金指数 51
 図表2-2  雇用者報酬の対前年同期比 52 
図表2-3  企業の売上高などの対前年同期比 65
 図表2-4  企業の売上高などの対前年同期増加額 65 
図表2-5  製造業における転嫁の状況 73 
図表2-6  非製造業における転嫁の状況 75 

図表3-1  製造業の業種別付加価値の推移 89 
図表3-2  貿易収支の推移 96
 図表3-3  財別の貿易収支と変化 96

図表4-1  マネタリーベースの推移 110 
図表4-2  マネーストック(M2)の対前年同月比 111 
図表4-3  国債財投債の発行残高のうちの日銀保有額の比率 116 
図表4-4  企業利益と給与・賞与の推移 122
 図表4-5  企業利益と給与・賞与の対付加価値比 122
 図表4-6  一人当たりGDPの推移 126 
図表4-7  ドル建て輸出/輸入額の推移 129 
図表4-8  鉱工業生産指数の推移 129 
図表4-9  名目輸出入の推移 130 
図表4-10 企業(製造業)の売上高と原価 133 
図表4-11 企業(製造業)の営業利益 133

図表5-1  ドル円レートの推移 145 
図表5-2  日本円の購買力平価と市場為替レート 150 
図表5-3  総需要と総供給 158 
図表5-4  IS-LM分析 159 
図表5-5  アメリカ:総需要曲線のシフトによるデマンドプル・インフレ 161 図表5-6  日本:総供給曲線のシフトによるコストプッシュ・インフレ 163 
図表5-7  実質GDPの対前年同期比 164 
図表5-8  個人預金の外貨預金残高 168

 図表7-1  日銀保有国債の簿価と時価 239 

図表8-1  主要国の長期金利の推移 252 
図表8-2  アメリカ実質長期金利の推移 253 
図表8-3  法人企業の状況 265




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