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ウェブに用意した「サポートページ」を活用して「能動的に」読もう

『野口悠紀雄の経済データ分析講座:企業の利益が増えても、なぜ賃金は上がらないのか?』が、ダイヤモンド社から11月28日に刊行されます。
これは、サポートページの説明です。

◇ 新しい試みに挑戦

 これまでは、書籍に掲載されているグラフや図表をそのまま受け入れることしかできませんでした。
ところが、本書に印刷されているQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ると、本書のサポートページを開くことができます。ここから、本書に掲載している図表のデータをダウンロードできます。
これを用いて、データを自分で加工し、新しい問題点を発見したり、説明を考えたりすることができます。
本書は、印刷物が持つ一覧性と、インターネットの大量情報提供機能を結びつける新しい試みです。

◆3つのステップで日本経済を理解しよう

 経済問題については、与えられた情報を受動的に受け入れるだけでなく、自分から進んで能動的に考え、そしてデータを調べることが必要です。
 それによって経済に対する興味がつぎつぎに湧くでしょうし、理解が深まるでしょう。
 そのためにつぎのステップを踏みます。

(1)疑問を持とう
(2)仮説を立てよう
(3)データで確かめてみよう

 各章最初の見開きの右ページでは、各章ごとに「3つのステップ」を具体的な形で示し、問題意識と、その解明方法を明らかにします。

(1)疑問を持とう
 新聞などの報道を見ていると、「なぜこうしたことになるのだろう?」と疑問を持つことがあります。
 こうした疑問を持つのは、あなたの仕事が関連しているからかもしれませんし、あるいは純粋に好奇心からかもしれません。
 いずれにせよ、疑問を持つのは大変重要なことです。それは、すべての知的活動の出発点です。

(2)仮説を立てよう
 仮説は疑問を説明しようとするものです。
「通常言われている説明は正しいのか? そうではなく、こちらの説明のほうが正しいのではないか?」などと考えます。
 仮説は、誰かが言っていることでもよいし、自分の考えでもかまいません。

(3)データで確かめてみよう
 仮説から導かれた結果がデータと合致していれば、仮説は支持された(正確には、否定されなかった)ことになります。
 その場合には、この仮説(理解)を用いて将来を予測することができるでしょう。また、1つの論考を書くこともできます。
 こうした分析を進めれば、さらに新しい疑問が生じるでしょう。こうして、考えがつぎつぎに広がっていきます。
 仮説から導かれる結果がデータと食い違っていれば、仮説は正しくないことになります。そこで、別の新しい仮説を立てます。
 かつて、統計が印刷物によって提供されていた時代には、個人がこの第3段階の作業を行なうのは、大変なことでした。いまは、信じられないほど簡単になりました。インターネットに大量のデータが提供されているからです。
 ただし、必要なデータがどの統計サイトにあるかを知る必要がありますし、その扱い方を知る必要があります。
 本書は、これについてのガイドを行なっています。
 見開きの左ページには、その章の代表的な図表を「ポイント図表」として掲げてあります。そして、どこに注目すべきかを解説しています。

 本書の特徴は、「サポートページ」をウェブに用意したことです。QRコードにスマートフォンをかざすと、サイトを開くことができます。
 ここにある「ダウンロード」と表示してある緑のボタンを押してください。すると、統計サイトから時系列データなどを取り出したエクセルファイルが開きます。
 このファイルをダウンロードすれば、グラフを書いたり、比率や成長率を計算することなどが、簡単にできます。

 サポートページでは、これ以外に、さまざまな補足説明を行なっています。
 このようにして、印刷物の書籍とインターネットの新しい連携体制を作り上げたいと考えています。

◆QRコードでサポートページを開く方法

(1)スマートフォンで開く方法
 スマートフォンの「カメラ」を起動し、書籍に印刷してあるQRコードにかざせば、サポートページが開きます(QRコード読み取りアプリをインストールしていなくても、自動的にこの操作ができます)。

(2)PCで開く方法
 エクセルファイルなどの作業をする際には、サポートページをPC(パソコン)で開きたい場合が多いでしょう。そのときは、つぎのようにします。

2-1 スマートフォンが iPhone である場合
 1:右の方法でサポートページを開きます。
 2:共有ボタンを押して開く画面で、つぎの操作をします。
 ・iCloud の接続がある場合には、「メモに追加」を選択します。
 ・ iCloud の接続がない場合には、「メール」を選択し、URLが本文に入っていることを確認して、自分宛にメールを送ります。
 3:PCで iCloud からメモを開くか、またはメール受信画面を開き、URLをクリックしてサイトを開きます。

2-2 スマートフォンがアンドロイド端末である場合
 1:右の方法でサポートページを開きます。
 2:つぎの操作をします。
 ・Google ドライブをインストールしてある場合は、「ドライブに保存」を選択します。
 ・ Google ドライブをインストールしていない場合には、「メール」を選択し、URLが本文に入っていることを確認して、自分宛にメールを送ります。
 3:PCで Google ドライブからサイトを開くか、またはメール受信画面を開き、URLをクリックしてサイトを開きます。
(なお、端末によって操作方法には差がある場合があります)

サポートページの説明3


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