『日銀の責任』低金利日本からの脱却 全文公開:第4章のまとめ
『日銀の責任 』低金利日本からの脱却 (PHP新書)が4月27日に刊行されました。
これは、第4章のまとめの全文公開です。
第4章のまとめ
1.異次元緩和は物価上昇率を政策目的とした。「フィリップス・カーブの
死」は分かっていたのだから、なぜこれを政策目的にしたのか?
2.国債を大量に購入しても、マネーは増えない。仮に増えても、物価は上
がらない。この意味で、異次元緩和が物価を引き上げられるかどうかは
は、最初から疑問だった。
3.異次元緩和の本当の目的が、物価ではなく、金利引き下げと円安だっ
たと考えれば、すべてが整合的に理解できる。
4.円安によって企業利益は増えた。しかし、賃金は上昇しなかった。
5.円安で増加したのは円表示の輸出額であり、輸出量も生産活動の実態も
不変だった。企業利益は増えたが、賃金は上がらなかったのは、このた
めだ。
6.国債で財源を調達すれば、いくらでも財政支出を増やせるというMMT
の主張は、コロナ禍において、正しいように思われた。しかし、コロナ
脱却の見通しが開けた途端に、インフレが起きた。日本でも、円安によ
って物価が高騰している。日銀が大量の国債を保有しているため、金利
を引き上げられないからだ。
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