『円安が日本を滅ぼす』:全文公開 第3章のまとめ
『円安が日本を滅ぼす』-米韓台に学ぶ日本再生の道 (中央公論新社)が 5月23日に刊行されます。
これは、第3章のまとめの全文公開です。
第3章のまとめ
●円安になると、企業利益が増加する。輸出産業から見ると、円ベースでの 売上が増える一方で、原材料価格の高騰は製品価格に転嫁でき、また賃金 を引き上げる必要はないからだ。
しかし、円安は技術開発を阻害する。このため、長期的に見れば、経済の 成長を妨げることとなる。
●2000年以降、日本は顕著な円安政策をとった。その結果、輸出は増え たが、輸入も増え、貿易収支は悪化した。また、賃金も上昇しなかった。
20年以上の期間にわたって円安政策がとられてきた。しかし、その結果、 古い産業が温存され、日本経済の衰退がもたらされた。
●他方、韓国、台湾は通貨価値を維持した。その結果、輸出が増えただけで なく、貿易黒字が増え、GDPが増えて、賃金が上がった。
●輸入物価が急騰している。勤労者世帯も高齢者世帯も、インフレによって 生活が困窮化する。その反面で、国の財政事情は好転する。いまの日本 で、インフレを抑えることができるのは、日本銀行しかない。
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