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「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す(第9章の2)

2.AIの創造は人間の創造と違う

◇AIは文章を書けるようになっている
最近のAIは、文章を書くことができます。スポーツや株式市況の報道などでは、すでに実用化されています。
AP通信は、2014年7月から、アメリカ、オートメイテッド・インサイツ社(AutomatedInsights)の「ワードスミス(Wordsmith)」というAIを使った記事を配信しています。ワシントン・ポスト紙は、独自開発したAIを用いて、リオデジャネイロ・オリンピックで記事を配信しました。日本経済新聞は、上場企業が発表する決算データを基にして、AIが売り上げや利益などとその背景などの文章を作成し、配信しています。ナラティブ・サイエンス社が開発した人工知能エンジン「クイル」は、30秒ごとに新しいニュース記事を配信します。
類似のサービスは、すでに個人でも使うことができます。いくつかのキーワードを与えると、それに関する文書を作成してくれるサービス「リライトツール」がしばらく前から存在していました。ウェブで利用できるサービスであるArticoolo は、2~5個のキーワードを入力すると、20秒程度で文章を作成してくれます。

◇人間が文章を書く必要性はなくならない

Articooloのサービスは、文章を書きはするのですが、実用に堪えるようなものにはなっていません。求める内容に答えているとは思えないし、文章も日本語として認められるレベルになっていないものが多いのです。将来、能力が向上するとしても、人間が書く文章を全面的に代替することになるとは、とても考えられません。
また、テーマは人間が与えなければなりません。文章執筆で最も重要なのは、「いったい、何について書けばよいのか?」というテーマの選定です。
AIにその判断ができるでしょうか? AIの判断は、ありきたりの考えを基にしています。そのような方法で得られるテーマについて文章を書いても、普通の要求に応えることにしかならないでしょう。
人間が文章を書く行為は、AIが行っているように、「さまざまなキーワードを組み合わせてありうる組み合わせを作る」ということとは、本質的に異なるのです。

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動画説明は書籍版と別のものです。写真は、書籍版にないものも掲載しています。書籍版への追加は、随時、更新する予定です。

『「超」AI整理法』(KADOKAWA、2019年6月)のnote版です。本文は基本的に書籍版と同一ですが、「超」メモ帳とアイディア製造工…

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