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『人生を変える「超」独学勉強法』:全文公開 はじめに

人生を変える「超」独学勉強法』(プレジデント社)が刊行されました。
6月21日からセブンイレブン店で発売されています。セブンネットショップからもご購入できます。
これは、はじめに全文公開です。

はじめに

 独学によって、無限の可能性を拓くことができる。
 これをできるだけ多くの方に知っていただきたいと願って、本書を書いた。

 技術進歩が加速化している。つねに新しい知識を吸収していかなければならない。
 また、人生100年時代といわれるように、働ける期間も長くなっている。学生時代に勉強したことだけで仕事を進めるのは、困難になりつつある。このため、社会人になっても勉強を続けることが必要と、多くの人が認識するようになった。
 ただし、そう思ってはいるものの、「いったい、どうやって勉強を進めたらよいのか、その具体的な方法が分からない」と考えている人が多い。そうした方々に対して、本書は、独学こそが最も効率的な勉強法であると指摘したい。
 本書が提案する方法に従って勉強を進めれば、そのことをはっきり実感できるだろう。それだけではない。独学がいかに楽しいものかが分かるだろう。こうした経験を通じて、ぜひとも独学の素晴らしさを実感していただきたい。
 独学を進めるための条件は、10年前、20年前に比べれば、飛躍的に改善された。その時代には想像もつかなかったほど様々な手段を、いまは簡単に利用することができる。
 とくに、検索技術を駆使してウェブから様々な情報や知識を引き出すことができる。これによって、一昔前とは比べものにならないほど効率的に独学を進めることができるようになった。このような条件変化を、最大限に活用すべきだ。
 新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がり、自由に使える時間が増えた。この時間を無為に過ごしてしまうか、それとも勉強にあてて能力を高めることに使うか。このどちらかによって、コロナ後の世界におけるあなたの地位は、大きく変わるだろう。

 本書が主たる読者として想定しているのは、学校教育を終えて仕事についている方々だ。本書をガイドとして独学を進めることによって、さらに能力を高め、新しい可能性を切り開いていただきたい。日本の未来は、そうした人たちの努力によって作られていくだろう。
 また、大学で学ぶ機会が得られなかった方々に、申し上げたい。大学で教えていることは、独学によっても習得することができる。だから、「大学を出なかった」というだけの理由で自ら可能性を狭めないでいただきたい。本書がきっかけとなって皆さんの人生が変わるなら、このうえない幸せだ。
 私自身が、独学によって人生を切り開いてきた。

 本書の概要は、次の通りだ。

 第1章のテーマは、独学を始めるための方法だ。
 本書が提案するのは、「周到な準備をしてから始めるのではなく、とにかく始める」ということだ。どんなことでも、いったん始めれば進展する。最初の第一歩を踏み出すことこそ重要だ。ところが、これはそれほど簡単なことではない。
 では、どうしたら第一歩を踏み出すことができるか?
 次の3つの思い込みから脱却する必要がある。第1は、「勉強のためには学校に通わなければならない。あるいは、先生につかなければならない」という考え。第2は、「独学は難しい」という思い込み。そして第3は、「独学できる人もいるかもしれないが、私にはできない」という考えだ。これらは、独学の可能性を具体的に検討したうえでの結論ではなく、単なる思い込みなのである。
 本書は、第一歩を踏み出すための方法として、いくつかの具体的な提案をしている。たとえば、毎日ひとつ、新しい言葉の意味を調べることだ。このように簡単な方法によって、独学への門が開かれる。

 第2章では、私自身の経験を述べる。私は、中学生の頃から、学校の勉強のかたわらで独学を続けてきた。そして大学での専門分野とは違う分野で仕事をすることとなったが、このための知識は独学で身につけた。私は、いまに至るまで独学を続けている。私の人生の基礎は、学校での勉強ではなく、独学で決まったのだ。

 第3章では、独学によって新しい働き方が可能になることを述べる。
 技術進歩が加速化しているので、学校時代に学んだことは急速に陳腐化する。さらには、新しい技術のために仕事が消滅してしまうこともある。しかし、変化は同時にチャンスを意味する。それを活用することが重要だ。
 日本では、これまで組織に依存して仕事をする人が多かった。しかし勉強を続けることによって個人の価値を高めていけば、組織に依存しない生き方が可能になる。兼業や副業を認める企業が日本でも増えつつあるので、現役時代から準備を進めれば、定年後にそれを拡大して生涯仕事を続ける、という働き方も夢ではなくなる。

 独学の最大の問題は、途中で挫折してしまうことだ。そうならずに独学を続けるには、どうしたらよいか? その具体的な方法を第4章で述べる。

 独学のもうひとつの問題は、「何を学ぶべきか」というカリキュラムだ。学校ではカリキュラムは与えられるが、独学の場合には、それを自分で作らなければならない。方向を間違えては、いくら努力しても成果は上がらない。これをどうするかを第5章で述べる。

 独学を進める場合の強力な武器は、検索だ。第6章では、いかにして検索するかという方法論を述べる。検索すべきキーワードが分からない時にどうするかが、最大の問題だ。

 第7章では、情報技術の発達が勉強にどのような影響を与えるかを論じる。AI(人工知能)がいかに進歩しても、勉強の必要性はなくならない。それどころか、AIが進歩するほど、人間でなければできない仕事の価値が高まり、勉強の必要性が高まるだろう。

 ニューノーマルの時代でのあなたの地位を決めるのは、勉強だ。


本書は、セブンネットショップのサイトからもご購入になれます






 

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