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「超」AI整理法 無限にためて瞬時に引き出す(第6章の3)

3.画像認識で外国語の本を簡単に読める

◇印刷物を自動翻訳にシームレスにかけられる
グーグルレンズの画像認識を用いて、独学を進めることができます。とくに、外国語の勉強には有用です。

グーグルレンズで扱えるのは、第3章の1で述べた単語や短文だけではありません。外国語の本をグーグルレンズで撮影して、シームレスで自動翻訳にかけられます。
自動翻訳の能力が最近向上したので、外国語の文献を読むことが急速に楽になりました。ただし、その対象は電子的なテキストが得られるものに限られていました。それが、印刷した書物にまで拡大されたわけです。
自動翻訳の能力は、いまのところ完全とは言えませんが、1ページ程度の分量なら、ほぼ何が書いてあるかの見当はつきます。知りたい部分だけを取り出してもう1度翻訳にかけ直せば、かなり正確に分かります。このようにして、外国語の文献を簡単に読むことができます。
具体的には、つぎの方法によって、正確な翻訳が得られます。
まず、ある程度長い範囲を訳させます。一部は間違っていても、全体としておよそ何を言っているかは分かります。そこでとくに知りたいところを訳します。すると、正解に近づきます。さらに細かく取り出すと、正解を出します。
専門分野の文献については、こうした「分解法」で、文献をかなりの程度、読みこなすことができます。このようなことは、これまでのウェブページ翻訳機能では、やりにくいことでした。

◇分解法で中国語を読む
AIやブロックチェーン、そしてフィンテックでは、中国の技術水準はいまや世界のトップです。したがって、中国語の文献を読む必要性が高まっています。また、中国の人々との交流も増えているので、中国語を話せたらよいと感じる機会が増えてきました。
そこで、中国語の勉強も始めたのですが、あまり進展しない状況が続いていました。いま、強力な武器の出現に力を得て、中国語の勉強を進めたいと思っています。
今後、中国語の文献を読む必要性が高まりますが、「分解法」の活用は重要なノウハウです。しかも、日本人には中国語の漢字が、簡字体であってもかなりの程度読めるので、より正確に理解できます。
漢字が読めるので、どこかを訳していないことなどが分かります。そこである部分だけを翻訳させると、正しく翻訳します。漢字と対照すると、ほとんど完全に文章を理解できます。しかも、中国語の発音も分かります。
専門的な文献については、正確でさえあれば、微妙な表現のニュアンスはあまり重要ではありません。AI翻訳で、外国語の文献を読むのが容易になり、これまで日本語の壁で守られていた人々の仕事が奪われるでしょう。
これがとくに効果を発揮するのがロシア語です。キリル文字が読めないので、辞書を引くのも簡単ではないからです(辞書での配列順序がよくつかめないのです)。

◇人類の遺産のすべてを読める
人類の遺産のすべてを、それがどんな書式であれ、どんな言葉であれ、読むことが可能になったのです。まだラテン語は試していませんが、これをやれば、私の知識もずいぶん広がるでしょう。これは、驚愕以外の何ものでもありません。
私は世界中の図書館に向かって、「ウェルカム・トゥ・ザ・ニューワールド」と挨拶したい気持ちです。それが大げさなら、私の家の書架にある本に向かって、「新世界にようこそ。忘れられかけていたあなた方は、新しい世界に蘇りました」と挨拶したい気持ちです。
これまでも、コンピュータは、テキストファイルであれば、いかようにも処理できました。しかし、対象が印刷された文字になり、さらに手書きの文字になると、どんどん難しくなっていました。それが、一気に容易になろうとしているのです。

◇「沈黙していた書物」がつぎつぎにしゃべり出した
Roma Anticaという本を、私はだいぶ昔にローマの書店で買いました。ここには、古代ローマ時代のローマの都がどうだったかを事細かに再現した素晴らしい図版がたくさんあります。古代ローマの姿は、映画などでしばしば出てきますが、断片的です。Roma Anticaでは、体系的にその姿を見ることができます。

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動画説明は書籍版と別のものです。写真は、書籍版にないものも掲載しています。書籍版への追加は、随時、更新する予定です。

『「超」AI整理法』(KADOKAWA、2019年6月)のnote版です。本文は基本的に書籍版と同一ですが、「超」メモ帳とアイディア製造工…

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