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幸せについて考えてみると…

人生2度目の大学院では、「キャリア」について広く深く学び、企業で働くミドル・シニアが、「自分らしさ」を仕事に生涯現役であり続け、理想のライフスタイルを実現するにはどうすればいいのか?をテーマに探究を始めました。

テーマの中に、「理想のライフスタイルを実現する」ことを掲げているのですが、そもそも「理想のライフスタイル」が何なのか?

それをイメージする際に「幸せ」について、少し考えてみたいと思います。

幸福度(=主観的Well-Being)とは何か?3つの側面

人が「幸福だな」と感じるのは、(1)生活満足度(2)感情としての満足度(3)エウダイモニアと、大きく3つの側面があるとされます。

(1)生活満足度というのは、人生満足度や現在の幸福感など、個人の人生や生活全般に関する評価

(2)感情としての満足度は、短期的な感情や情動で測る幸福度。一時的な喜び、悲しみ、怒り、不安など

そして、
(3)エウダイモニアは、アリストテレスが説いた「最高善」としての幸福。社会との関わり方や目的意識、学習意欲などを尋ね、その人の持つ能力をどの程度発揮できているかを重視することです。

幸福度(=主観的Well-Being)に影響を及ぼす要因は何なのか?

幸福度の決定要因として、次の8つがあげられます。

①個人の属性(年齢・性別など)
②健康
③所得
④格差・不平等度
⑤仕事
⑥社会的関係
⑦政治経済体制
⑧利他・向社会行動

ここで私が着目したいのは、①個人の属性(年齢、性別)です。

年齢と幸福度の関係は「U字カーブ」を描くという研究結果が多く、若者の幸福度は高く、中年期にいったん低下し、高齢になると上昇します。高齢になると、身体能力が低下することをはじめとした老化や、近親者の死といった不幸に対峙することも多いにもかかわらず、幸福度が増すこととから、エイジング・パラドックスと呼ばれます。

性別に関しては、日本では男性よりも女性の方が幸福度が高い傾向があります。

つまり、「年齢×性別」でとらまえると、「日本人50才前後の男性は、最も幸福度が低い」可能性が高いと言えそうです。

また、深刻な状況として、日本・韓国・欧州8カ国を対象とした国際共同研究で、

日本企業に勤める管理職・専門職男性の死亡率が高い

小林 廉毅教授(東京大学大学院医学系研究科 社会医学専攻公衆衛生学分野)ほか

と報告されています。

このいわば、死の谷を越えることが、日本企業で働くミドル・シニアにとって、とても重要な課題だと改めて感じました。

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